ロシアはインドとベルギーの一部のディーラーへダイヤモンド原石販売を継続しており、これが世界のダイヤモンド業界を分割しているという意見もある。
ロシアの国営ダイヤモンド鉱山であるアルロサアは今年2月のウクライナ侵攻以来、米国によってダイヤモンドの直接輸入を制裁されているが、依然として月に2.5億ドルのダイヤモンド原石を販売していると言われている。(戦争前の2021年では平均3.47億だった。)
一方、インドはロシアのダイヤモンドに制裁を裁を課していない。欧米のクライアントはロシア産のダイヤモンドを購入しないため、ダイヤモンドサプライチェーンでの中流業者のほとんどは依然としてアルロサのダイヤモンド原石を避けているが、その状況にも変化が出てきている。
ベルギーはEUに加盟しているが、EUはロシアのダイヤモンドに制裁を課しておらず、ベルギー・アントワープの取引業者は引き続きアルロサからダイヤモンドを購入することが可能だ。
先週、ベルギー首相のアレクサンダー・デ・クローは、ベルギーはダイヤモンド貿易に対するEUの制裁を阻止することはしないが、制裁を課すことはロシアよりもヨーロッパにダメージを与えるだろうと主張を繰り返した。
ブルームバーグはレポートの中で、ロシアと取引する人としない人という、結果として生じる業界の2層システムは「世界貿易を崩壊させる」だろうと述べている。また、ロシアとの取引は「元々秘密主義で知られるダイヤモンド取引の世界でさえ、より秘密裏に取引されている。」と書かれている。
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