国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 22.09.25[RAPAPORT]

  • 例年、この時期のポリッシュダイヤモンドの需要は通常時期より弱い。
  • ジュエリー業者は年末のホリデーシーズンに向けて期待しているが、在庫の購入には慎重。
  • 消費者は、デジタルプラットフォームとインストアプラットフォームを組み合わせた、利便性が高くインタラクティブなショッピング体験を求めている。
  • 9月のデビアスのサイトでの原石価格は安定しているが、二次流通市場では購入が少なく価格上昇は抑制されている。
  • Grib Diamondsは銀行が顧客の支払いをブロックしたため10月のオークションをキャンセルしている。
  • インドの8月のポリッシュダイヤモンドの輸出は-7%の19億ドル、原石の輸入は+12%の14億ドルとなった。
  • 米国の7月のポリッシュダイヤモンドの輸入は+9%の19億ドルとなった。
  • RAPAPORTオフィスはロシュ・ハシャナ(ユダヤ新年)の為9/26-27はクローズとなる。
ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアムとショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30~1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。 消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

ホリデーシーズンに向けた注文が比較的遅く、市場感情は複雑。ジュエラーは在庫管理に慎重になっており、店舗に持つ在庫を減らし、メモ商品を増やしている。メレサイズや小さいサイズのダイヤモンドはやや取引が遅い。1.25ct~2ct、G-I、SIと品質の良いファンシー シェイプが市場を牽引している。適切な商品を持ち、業者との強い関係を持っているサプライヤーは好調。

ベルギー

米国のホリデーシーズンに向けた注文に対応している業者のポリッシュダイヤモンドの取引は安定している。経済の見通し不透明性の中でヨーロッパ内の取引は慎重。ユーロ安と金利高は市場感情に影響を与えている。1ct未満、G-J、VS-SIの需要は安定している。3〜5ctsのカテゴリーも順調。ファンシーカラーダイヤモンドの需要が高まっている。デビアスのサイトの影響で二次流通市場でのダイヤモンド原石取引はスローダウンしている。

イスラエル

多くのディーラーはユダヤの祭日期間の前に海外で商品を販売しようとしており、ダイヤモンド取引所での取引は静か。米国のホリデーシーズンに対応する注文が売上を牽引しているが、SIのカテゴリーはやや弱い。サプライヤーは、在庫回転の向上と在庫の削減に集中している。細長いシェイプのファンシーシェイプが好調。ロシュ・ハシャナのユダヤ新年のため、月曜日と火曜日はダイヤモンド取引所はクローズ。

インド

マーケットの活動は弱いが安定している。極東市場の不振が続く中、米国での販売が取引を支えている。0.30~0.40ctのドシェ商品の需要は弱い。0.50ctアップ、G-I、VS-SIカテゴリーの動きは改善している。ダイヤモンド原石市場は低迷しており、生産業者は流動性への懸念から、原石の二次流通市場での大幅な値引きを求めている。10月24日のディワリを前にしているにも関わらず、ポリッシュダイヤモンドの生産レベルは依然として低い。

中国・香港

国慶節のホリデーシーズンを前に市場ムードは改善。2ct以下、F-J、VS-SI2、VG+の需要は安定。隔離政策によって観光客やバイヤーの訪問が敬遠されているため、政府は隔離政策を廃止するよう圧力をかけられている。シンガポールで開催されるジュエリー & ジェム ワールド (JGW 9/27-30)には前向きな期待が向けられている。取引業者は、コロナによる(中国香港の)制限が変更されない場合、シンガポールが取引の中心地として香港と肩を並べるようになる可能性を予想している。

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