Sarine CEO、GCAL買収についてのインタビュー [RAPAPORT]

この1週間、ダイヤモンド鑑定機関分野での買収に関連する情報が多く出回った。先週木曜日にはイスラエルのSarine Technologiesがニューヨークに本拠を置くGCAL(Gem Certification & Assurance Lab)の過半数の株式を取得する計画があると発表。その翌日にはベルギー、アントワープに本部を持つIGIが、その親会社である中国上海のFosun International買収を計画していることを認めた。

SarineによるGCALの株式取得は、イスラエルに本拠を置く同社が米国で幅広い影響を持つようになる可能性がある。しかし、現時点ではこれは覚書(MoU)の状態であり、最終的な合意ではない。SarineのCEOであるデイヴィッド・ブロックは、この買収に関してRapaportのインタビューに答えた。

この取引の想定されるスケジュールを教えてください。

ブロック : 我々は過去数ヶ月にわたってGCALと協議を進めてきており、その全ての基本合意事項を含むMoUに署名しました。会社の買収と同様、財務やデューデリジェンスなどの監査を行う必要がありますが、これには数か月かかると予想されます。その後に完全な契約の締結になります。しかし(事業の前進を)最後の契約まで待つつもりはありません。プロセス全体はまだ完了していませんが、事業面での前進を始めることは問題がありません。

契約に先立って事業面で前進するとはどのような意味ですか?

ブロック : これには2つのレベルがあります。まず買収があり、そして両社の機能の実装と活用の開始方法、及びGCAL内のテクノロジーの統合の開始方法です。想定していることは、必ずしもテクノロジーをラボに導入することだけではなく、ダイヤモンドが米国または小売業者に届く以前の供給元でグレーディングを可能にするため、グレーディング技術インフラストラクチャであるe-Grading(人工知能-AIを使用したSarineの自動グレーディング技術)をどのように導入し始めるかということです。アイデアは、両社の能力の相乗効果を利用することです。米国でのGCALのプレゼンスと米国市場での流通、当社のテクノロジーの両方を一緒に活用します。買収自体とは関係なくコラボレーションが可能です。

Sarine CEO デイヴィッド・ブロック
企業の最終的な買収の前に覚書に署名することはかなり稀ですが、この方法を選択したのは何故でしょうか?

ブロック : 多くの人が関与するデューデリジェンスを開始すると、情報が漏れる可能性があります。 我々がこのプロセスを進めていることを一般に公開しなかったのは、情報漏洩が上場企業として問題になる可能性があるからです。現在我々は全てのビジネス条件について話し合い、合意に達したため、デューデリジェンス完了に際してリスクを冒さずに公開できる十分に進んだ段階であると考えています。

この議論はいつ始まりましたか?

ブロック : 我々は長年にわたって、業界の様々な関係者と様々なレベルの協力について話し合ってきました。過去には我々が他のグレーディングラボを買収するという噂がありましたが、これについてはコメントを控えます。我々はGCALと何年にもわたって多くの議論を重ねてきました。過去数か月間では、両社間の多くの相乗効果についてより集中的な議論を行い、両者の結論に達したのでこれを前進させることにしました。

Sarineのプレスリリースでは、取引条件は「クロージングまで」機密であると述べていますが。

ブロック : 現時点では、上場企業の観点から取引価格を開示する必要はありません。そして、実際に必要がないことは開示しようと思っていません。開示の必要があることは何でも開示するつもりです。

現時点で米国でのSarineの活動はどのようなものですか?この買収により、米国での活動がどれほど増加すると思いますか?

ブロック : 我々の米国での活動は昨年の初めに本格的に始まったばかりです。それ以前も活動はありましたがそれほど注力していたわけではありません。今まで我々はアジアとヨーロッパにより注力していました。この取引に関する議論は、米国市場への関与、つまり当社の米国市場での存在感が増し、クライアントと話し合う中で増加しました。従ってこの取引は、米国における当社のビジネス範囲において非常に大きな飛躍となるはずです。

米国内のSarineの従業員数はどれくらいですか?

ブロック : この取引より前には10人未満です。取引後にはGCALの全従業員も含まれるようになります。数字には言及したくありませんが、数十人規模、100人未満の従業員数になるでしょう。

GCALが特徴的な鑑定機関とされているのは、グレード証明書を発行し顧客の保証を提供していることです。これが統合によってどのように機能するでしょうか。

ブロック : 我々は今後もそれを継続するつもりです。テクノロジー(による鑑定)はより再現性が高いという事実により、テクノロジーがその保証をさらに強化できると我々は確信しています。そのため、我々はダイヤモンドグレードに関するGCALの約束と保証を引き続き支持し、ISO規格を維持します。

(*GCALはグレード証明書として、提出した鑑定を保証しており、万が一グレードに際があった場合はその差額を補償するサービスを鑑定機関として唯一提供している)

その保証はGCALだけのサービスでしょうか?それとも Sarine全体にも実装されますか?

ブロック : 現時点ではわかりませんが、これは間違いなくGCAL-Sarineブランドとして維持されます。それが一般的なSarineレポートにも拡張されるかに関しては、それはあり得ます。これはブランドの他の部分にも確実に活用できるものです。

米国でGCALを使用しているカスタマーは引き続きGCALによってGCALブランドの証明書を取得できますか?またはSarineとの取引に移行する必要がありますか?

ブロック : まず第一に、GCALチームとそのリーダーシップは継続され、劇的な変更は行われません。GCALが提供する製品ラインとサービスは今後も継続されます。一方で多くの改善があるでしょう。さまざまなテクノロジーを運用に統合することで、多くの付加価値を提供できるようになります。GCAL のクライアントが何年にもわたって期待している現在のサービスと製品は継続し、それにサービスを追加し続け、クライアントのニーズに耳を傾け、それに応じて適応し続けます。

それでは、グレード証明書には引き続きGCALと(ブランドが)記載されますか?

ブロック : その可能性が高いです。正確にどうなるのかはまだわかりませんが、GCALブランドとSarineブランドが統合されることは間違いありません。House of Brand(複数ブランド名で展開する企業モデル)になるのか、Branded House(ブランド名を統合する企業モデル)になるのかはまだ決まっていませんが、GCALの名前がブランディングの中に存在し続けることは間違いありません。

GCALの最高カットグレードである”8X”をどのようにSarineに実装するかについての計画はありますか?

ブロック : 8Xは継続します。我々はその商品を気に入っており、非常に価値があると考えています。我々はGCALに劇的な変更を加えるつもりはありません。GCALの商品を完全に変更するのではなく、(価値を)追加したいと思っています。

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