国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 23.05.12[RAPAPORT]

  • 取引不振のため市場感情は弱い。
  • ディーラーは在庫の削減をしており、価格が下落している。
  • 経済に対する警戒感は依然として残っており、4月の米国のインフレ率は4.9%となった。
  • 消費者習慣の変化に適応できる大手企業や一流の独立系企業が市場シェアを獲得し、米国市場の強さを見せつけている。
  • ジェムジュネーブショーは、堅牢なハイエンドカテゴリーが一般商品の活動を引き上げることを期待してスタートする。
  • 美術品蒐集家として知られる故ハイディ・ホルテンのコレクションのオークション第1弾がジュネーブのクリスティーズで開催され、25.59ctsのクッションカットを含むコレクションが1.56億ドルで落札された。ハイライトの一つであったサンライズルビーリングは販売前予想を下回る1460万ドルで落札された。
  • WFDB は、NDC(Natural Diamond Council)への財政的支援を約束。
  • 合成ダイヤモンド判別機として知られるシャーロック・ホームズの発明者、ズヴィ・イェフダ氏が逝去、業界は死を悼んでいる。
ファンシーシェイプ

ファンシーシェイプのマーケットは以前よりも減速しているが、ラウンドよりは好調。細長いオーバル、エメラルドカット、ラディアントは最も好調なカテゴリーだ。ミディアム・ショート比率の商品は弱い。クッションシェイプの需要が減少。0.30ctは順調。0.70~1.20ctのダイヤモンドの注文は低下している。VS-SIは1.20~1.49ctを除いて需要が落ちてきている。カットの優れたダイヤモンドには供給不足が見られる。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

市場感情は様々。取引水準の低迷により、一般商品の市場は低迷している。一方ハイエンド商品は堅調。ラグジュアリーブランドからの受注も好調。ファンシーカラーや細長いクッション、オーバルやエメラルドカットが好調で、4ctsを超えるD-F、IF-VVSも比較的よく売れている。メモの需要があるが、バイヤーは在庫量を増やさないように注意している。ディーラーはラスベガスショーでの取引が市場の改善を促すことを期待している。

ベルギー

米国と中国市場の需要の減速を反映し、活動は低水準。欧州のラグジュアリーブランドの売上が好調なことから、ジェムジュネーブには期待感が高まっている。ファンシーシェイプはラウンドよりも動きが良い。特定のファンシーカラーはホワイトのダイヤモンドよりも好調。ポリッシュダイヤモンドの需要の減少により、先週のデビアスサイトの後、ダイヤモンド原石市場は静まり返った。ディーラーやメーカーの利益率は圧迫されている。

イスラエル

取引は低迷。 ダイヤモンド取引所には海外からのバイヤーがほとんどいない。ジェムジュネーブに参加するディーラーの中には、控えめな期待を抱いている人もいる。バイヤーは購入よりもメモを重視しいている。高い在庫水準がポリッシュダイヤモンドの価格に圧力をかけており、高額なダイヤモンド原石がメーカーの収益を圧迫する可能性がある。最近の価格下落を受けて、I1~I2の販売が鈍化。古い在庫商品に対して一部のサプライヤーは大幅な割引を提供している。

インド

取引の大幅な減少を受けて、市場感情は沈静化。米国、香港、中国市場へのビジネスは鈍化している。 国内小売業は安定的に発注を行っている。メーカーが大量在庫の削減に注力しているため、最終生産は生産能力を大幅に下回っている。ほとんどのスーラトの工場は5月中旬まで夏季休暇で閉鎖されており、市場の低迷を受けて多くの工場が休暇を延長している。ダイヤモンド原石セクターは慎重。

中国・香港

卸売りの鈍化は世界的な不確実性を反映している。一部の中国バイヤーは0.30~1.50ct、D-H、VS-SI の商品を注文しているが、それもここ1ヶ月のことだ。依然パンデミック前の水準を大幅に下回って取引されている。宝石商は短期的な需要を満たすのに十分な在庫を持っている。小売業者は母の日のプロモーションに注力しており、ダイヤモンドジュエリーよりも色石や真珠の方が好調で、低予算商品への関心が着実に高まっていると考えている。

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