国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 22.11.20[RAPAPORT]

  • 感謝祭の週末を前に、米国市場は複雑な感情。
  • ジュエリー業界は堅調な売上を維持しているが、経済の不確実性の中で慎重な姿勢をとっている。
  • マスターカードの調査によると、米国での10月のジュエリーの売上は-3.8%となった。
  • Brilliant Earthの第3四半期の売上高は1.11億ドルで、前年同期比17%増加、利益は約600万ドル、前年同期比44%増加したが、年間業績予想を下げた。
  • 小売業者はマルチチャネルの販売プラットフォームを改善し、消費者のホリデーショッピング体験を強化している。
  • ハイエンドジュエリーの売上は堅調。
  • リシュモングループのジュエリー部門の上半期売上高は+24%の66億ドル、営業利益は+22%の24 億ドルとなった。
  • ディーラーはメーカーよりも将来の見通しに楽観的。
  • ダイヤモンド原石市場は遅い。
  • デビアスの11月の売上は11%減の4.5億ドルとなった。
  • サザビーズジュネーブでの売上総額は5,000万ドルとなったが、デビアスコレクションの5.53ct、クッション、ファンシーヴィヴィッドブルーは落札されなかった。
ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアムとショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30~1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。 消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

感謝祭の週末に向けて、業界では小売市場に対する期待が高まっている。ジュエリー業者は、土壇場での注文、特に高級ブランドからの注文への対応に追われている。多くの商品がメモ取引に出されているが、一部のサプライヤーは在庫流動性へのプレッシャーを感じている。ファンシーシェイプと大粒ダイヤモンドの販売は例年に比べて遅い。トップブランドはホリデーキャンペーンとしてファッションジュエリーの宣伝に力を入れている。

ベルギー

市場の不確実性によって需要が縮小しており、ダイヤモンド市場はいくつかの特定カテゴリーに分割されている。一部の業界関係者は、最近の価格下落が感謝祭の週末以降の購買を刺激すると考えている。ディーラーは問い合わせを多く受けているが、バイヤーは急いで購入しようと思っておらず、より多くの割引を求めている。アメリカのホリデーマーケットの需要とヨーロッパの高級ブランドの注文が販売を牽引している。ダイヤモンド原石の取引は遅い。

イスラエル

ダイヤモンド取引所の活動は比較的静か。ホリデーシーズンへの期待は薄れてきている。ダイヤモンドの価格が下落するにつれて、ディーラーはインドへ買付に向かうようになっている。市場は高品質のメレダイヤモンドに対する需要が強い。業界では、鉱山企業であるルカラとHBアントワープが締結した10年間の契約が大粒のダイヤモンド原石の市場形態に変化を引き起こすのではないかと懸念を強めている。

インド

ポリッシュダイヤモンドの取引は安定。米国市場からの注文が市場を支えている。中国大陸と香港からの需要が増加し始めている。0.50~0.90ct、VS~SIの鑑定書付ダイヤモンドの需要が安定している。メレサイズダイヤモンドの販売は遅い。ディワリの休暇から企業が戻りつつあるため、ポリッシュダイヤモンドの生産レベルは高くない。ダイヤモンド原石の取引状況は弱いが、ディーラーはロシアのダイヤモンド原石が安定した価格で国際市場に出回っていると述べている。

中国・香港

メモ取引の需要が増加している。在庫が多く、不透明な消費者心理などの原因で、ダイヤモンド取引の全体的な状況は依然として低調。中国本土のコロナ政策が市場に圧力をかけており、業界内の予想には慎重な姿勢が多い。人民元の為替レートの上昇は中国本土で経済がリバウンドする可能性を示しているが、10月の小売データは依然としてアナリストの予想を下回っている。

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