国際ダイヤモンド業界市場週間レポート 23.01.29

ジュエラーがホリデーシーズンの販売の在庫補充を開始しているため、ポリッシュダイヤモンドの市場が選択的になっている。
バイヤーは緊急性のある需要を持っていない。
需要の低迷と複雑な価格動向の中にあって販売業者は不確実性がある。
ポリッシュダイヤモンドの生産量は依然として低く、中流在庫はわずかに減少している。
アルロサの制限により、ダイヤモンド原石の供給量が減少。
カナダのMountain Provinceの2022年の売上は+25%で2.97億ドル、平均カラット単価は+49%で112ドルとなった。
インドの2022年のポリッシュダイヤモンド輸出は3%減の229億ドル、原石の輸入は4%増の185億ドルとなった。
ラグジュアリージュエラーは楽観的で、中国市場の回復が成長を後押しすると期待している。
スウォッチグループの2022のジュエリーと時計の売り上げは2%増の78億ドルとなった。
Birksの昨年11月～12月のホリデーシーズンの既存店売上高は-3.2%。
RJCは、ジャーナリスト兼キュレーターのメラニー・グラントをエグゼクティブディレクターに任命。

ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアム・ショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30～1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

1月28日から開催されるセンチュリオンジュエリーショーと、1月31日から開催されるAGTAジェムフェアツーソンに向けて楽観的なムードがある。先週のマイアミアンティークショーでは良好な集客と良いムードが形成された。特に大規模なディーラーやメモ取引業者のビジネスは回復している。細長いオーバルシェイプ、1.0～1.5ct、F～H、SIは需要が高く、これは小売業者がホリデーシーズンに販売した在庫を補充していることが原因となっている。ジュエラーはバレンタインシーズンに向けたプロモーションを準備している。

ベルギー

時期的に需要は低調で、市場感情は弱い。一般的な品質の商品を提供する中小規模のディーラーは、市場を注視している。ハイジュエラー向けの商品は第4四半期以降好調で堅調。ヴィチェンツァオロショーのフィードバックはポジティブ。ダイヤモンド原石の市場は安定しているが、デビアスが価格調整を実施したため不確実性が出てきており、またEUが追加のロシア制裁を検討しているため、商品が少なくなると予想されている。

イスラエル

ディーラーは、市場の方向性が不透明なため慎重になっている。多くの人は下降トレンドが続くと利益を失うことを恐れて商品を保有している。中国市場への再参入により、特定のカテゴリーが押し上げられるとの期待がある。バイヤーは適切な商品を見つけるのに苦労している。ファンシーシェイプのビジネスは良好。

インド

中国のバイヤーが旧正月で休暇だったため市場は低調。研磨業者は慎重になっており、ポリッシュダイヤモンドの生産は低いレベルに抑えられている。在庫が減少ており、細長いファンシーシェイプなど、需要の強い特定のカテゴリーで欠品が発生している。メレサイズは堅調だが、最近デビアスがこのカテゴリーのダイヤモンド原石の価格を引き上げたため利益率は縮小している。1～2ct、D-F、IF-VVSは堅調。同様のサイズの低グレードのものは遅い。地元のウエディングシーズン中のビジネスは堅調。