ケリングはメタバースの可能性を探求 – Google幹部を取締役に迎える

ブシュロン、グッチ、バレンシアガなどのブランドを保有するフランスの大手コングロマリットであるケリングは、2022年4月28日の年次総会でGoogleの幹部であるYonca Dervisogluを取締役として迎えた。

この新たな役員の任命は、数多くのラグジュアリーブランドを有するケリングにとってオンライン、特にメタバース分野への挑戦が進むことを意味している。

Yonca Dervisogluは2006年にGoogleに入社、35カ国のチームを管理している。また、The Marketing Society(マーケティング協会)のフェローでもあり、Google Arts and Cultureを共同設立している。Google入社以前は、ユニリーバとヤフーでシニアマーケティング職を歴任し、ハイネケンの監督委員会、マヴィの監査役会、ロンドン自然史博物館のデジタル諮問委員会を務めた。

Yonca Dervisoglu

年次総会でケリングのCEOフランソワ・アンリ・ピノーは、ケリングチームは5月上旬にカリフォルニアでシリコンバレーの幹部に会い、メタバースの可能性をさらに探求し、仮想製品をオンラインで販売する可能性を追求する意向を示した。

また幹部は、ケリングが(物理的ではない)オリジナルのデジタル製品を開発し、顧客が暗号通貨で支払うなどのオプションを模索していると語った。

「私たちはバレンシアガやグッチでその可能性を探求している」とピノーは株主に語った。「私たちはこれらのトピックの時代を先取りしており、それが非常に早いことを知っている。Yoncaと一緒に取り組めることを幸運に思う。我々はGoogleだけでなく、マイクロソフトやFacebookのチームともコンタクトしている」とピノーは付け加えた。

Yonca Dervisogluは、パンデミック以来オンラインでのラグジュアリー商品の検索が25%増加したと説明、それが「個人、企業、ブランド、そしてケリングのような企業など、誰にとっても絶好の機会のタイミングだ」と付け加えた。

ケリングは、傘下ジュエリーブランドであるブシュロンで、Sarine Technologies社によるデジタルトレーサビリティソリューション及びAI鑑定の導入を先日発表したばかり。デジタル分野での市場の発展速度が激しく混沌とする中で、老舗ブランドを数多く保有するラグジュアリーグループがデジタルソリューションやメタバースへ積極的に挑戦し新たな可能性を探求し続けることに素直に敬意を表したい。

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