国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 23.05.19[RAPAPORT]

  • ポリッシュダイヤモンドの取引は低調。
  • 景気への警戒感を受けて宝石商の在庫仕入れが減少。
  • ディーラーはラスベガスショーが市場感情を高めることを期待している。
  • ゲムジュネーブショーはブランド高級品に対する強い需要を示した。
  • リシュモンの2023年度ジュエリー部門売上高は21%増加し146億ドルになった。
  • ブリリアント・アース第1四半期の収益は-2%の9,800万ドルとなった。
  • サザビーズ・ジュネーブは8,540万ドルを売り上げ、その中には2,520万ドルで落札された、ペアシェイプ、11.16cts、ファンシーヴィヴィッドブルー、VS1の「ブルガリ・ラグーナブルー」が含まれている。
  • 研磨業者が生産を低く抑えているため、ダイヤモンド原石市場は低迷している。
  • デビアスの5月の売上高は-21%の4.8億ドルとなった。
  • フェリエル・ゼロキが世界ダイヤモンド評議会の会長に就任。
  • 業界はロンドン・ダイヤモンド取引所の元社長ハリー・レヴィ氏の死を悼んでいる。
ファンシーシェイプ

ファンシーシェイプのマーケットは以前よりも減速しているが、ラウンドよりは好調。細長いオーバル、エメラルドカット、ラディアントは最も好調なカテゴリーだ。ミディアム・ショート比率の商品は弱い。クッションシェイプの需要が減少。0.30ctは順調。0.70~1.20ctのダイヤモンドの注文は低下している。VS-SIは1.20~1.49ctを除いて需要が落ちてきている。カットの優れたダイヤモンドには供給不足が見られる。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

宝飾品小売店では母の日の売上が好調。ディーラーは価格水準が下がった現在、バイヤーの購入へ期待してラスベガスショーへ臨む。予約はあるが購入の可能性については不確実性がある。独立系宝石商は在庫の購入を減らしている。第1四半期の売上好調を受けてハイエンドブランドの受注が相次いでいる。

ベルギー

ヨーロッパの焦点はジェムジュネーブショーに移っていた。取引量が多く、ハイエンド製品への関心が高い。一般品質の商品は遅い。ダイヤモンドは、金の宝飾品などの低価格帯の製品に比べて遅れをとっている。米国と中国のバイヤーの心理が慎重なため、アントワープ市場は閑散。生産レベルの低下により原石の需要が減少。

イスラエル

世界的な減速が地元の貿易に大きな影響を与えている。米国、中国、香港の宝石商が消費者需要の減少によって在庫を減らしているため、販売は少ない。市場がいつ改善するかが不確実であるため、イスラエルダイヤモンド取引所(IDE)では市場感情が低下。低価格帯のSI2~I2、特に0.50~1.20ctは低迷。ラスベガスショーに対する期待はさまざま。

インド

米国と極東のバイヤーが購入を減らすにつれて、市場は減速。SI1以下のクラリティのダイヤモンドに対する需要が弱い。VVSとVSは比較的良い。スーラトの工場は市況を理由に生産を抑制し、長期の夏季休暇を取る。一部のサプライヤーが未払いを指摘しており、信用延長に対する懸念が高まっている。需要が減少し、二次市場での購入が減少。

中国・香港

市場感情は弱い。中国の旧正月から夏期までの季節的な取引小康状態。中国市場の新型コロナウイルス感染症からの回復は予想よりも遅い。国境再開以来、海外旅行は徐々に戻ってきているが、量はパンデミック前の水準を大幅に下回っている。消費者が低予算の商品を求める中、宝石業者はダイヤモンドよりも金の需要が高いと見ている。0.30~1ctの関心は安定的。

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