ロシアの国営ダイヤモンド鉱山企業であるアルロサは、5月17日、パベル・マリニチェフを新CEOに任命したことを発表した。
マリニチェフは、昨年2月のロシアによるウクライナに侵攻の後、父親と共に米国からの制裁対象となっているセルゲイ・イワノフに取って代わる。
2025年までCEOを務める予定だったイワノフは、6年間指揮を執った後、早期辞任する。イワノフは政治・ビジネスの新聞である”Kommersant”に、ハイテクプロジェクトに焦点を当てると語ったが、それ以上の詳細は説明していない。また彼は、民間投資会社であるヴォルガグループに入社するという情報は間違っていると述べた。
イワノフの後継者であるマリニチェフ(写真)は、サハ共和国(ヤクート)の政府職員として勤務し、地質学などに任務した後、国営鉱山企業であるアルロサに、アルマジー・アナバラ(アナバラ・ダイヤモンド)部門のCEOとして入社した。
「アルロサ監査役会からの信頼に感謝します。CEOとして、私は世界のダイヤモンド市場における同社の支配的地位を強化するために働き続けます。」とマリニチェフは述べている。
取締役会は満場一致で、彼が今後3年間会長兼CEOを務めることを決定した。
アルロサは戦争が始まって以来米国から制裁を受けているが、この制裁はロシア産原石をロシア国外で研磨したダイヤモンドは対象としておらず、同社の業績にほとんど影響を与えていないという。
同社は、2022年1月の3.25億ドルの販売報告以降、原石とポリッシュダイヤモンドの販売量を公開していない。昨年8月には、2022年の予測生産量を最大3500万ctsに引き下げる予定はないと述べている。
マリニチェフの前のCEOであるイワノフは、昨年2月に米国外国資産管理局(OFAC)によって特別指定国民(SDN)に分類され、また父親のセルゲイ・ボリソヴィッチ・イワノフは、米国財務省によって「プーチンの最も近い同盟者のひとり」と表現されている。
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