G7によるロシア産ダイヤモンド制裁はG7内でも意見が分かれる

アントワープを唯一の「シングルエントリーポイント」とする(全てのダイヤモンドはアントワープで検査される)ことでロシア産ダイヤモンドを禁止するというG7の挑戦的な計画は、加盟国の間で支持を失いつつあると関係者は語った。

現在、アントワープのシングルエントリーポイント計画に賛成しているのは欧州連合(EU)だけと言われている。 米国、英国、その他の国は皆、これについて懸念を表明している。

まだクリアになっていない点が多くあるため、この計画について最終的な判断を下すのは容易ではない。まだ解決されていない問題としては、「既存在庫」をどのように扱うか、ラボグロウンダイヤモンド、ダイヤモンドを使用した時計、ジュエリーが制限の対象となるかどうかなどが挙げられる。EUは昨年12月に、制裁の対象はこれら3つのカテゴリーの物品に及ぶと示唆したが、制裁の実施に関連する多くの事柄と同様に現時点では実際には決定されていないようだ。

アントワープのシングルエントリーポイントに対する反対は、デビアスが米国の法律事務所、ブラウンスタイン・ハイアット・ファーバー・シュレックをロビー活動に起用するなど、業界による強力なロビー活動から発生している。理論的にロシア産ダイヤモンドとの競争が減ることで利益を最大化できるアフリカの首脳たちも、アントワープ計画に対して声をあげている。

関係者によると、アンゴラ、ナミビア、ボツワナの大統領はバイデン大統領や他のG7諸国首脳に書簡を送り、新たな制限に対する懸念を表明した。そのことが3月1日に施行された制裁の第1グループでの規制の混合に一部つながり、EUは非ロシア起源の確実な証拠を要求し、米国は「自己認証」を選択した。

EUのアントワープ計画が否決された場合、何がそれに代わるのかは明らかではない。デビアスとアフリカ諸国は、アフリカのダイヤモンド生産国(およびG7メンバーであるカナダ)に「原石チェックポイント」を設置することを支持している。また全く新しい計画が策定される可能性もある。あらゆる意見の相違が存在しているが、G7全体としてはロシア産ダイヤモンドの禁止に引き続き取り組んでいる。

今のところ、EUはアントワープ計画に引き続きコミットしており、ブロックチェーン企業であるエバーレッジャーは3月から9月の制裁初期にこの計画を試験的に実施している。いくつかの著名な企業がテストへの参加に関心を示しているが、アントワープへのダイヤモンドの輸送が遅れているため、意欲のある当事者ですら参加することが困難になっている。しかし、最大手のLVMHを含めラグジュアリーコングロマリットのほとんどがヨーロッパに拠点を置いており、その影響力は強いため、EUを過小評価できない。

そして、ある意味この計画はうまく機能しているようだ。3月1日以降、ロシア製品が含まれている疑いがあるとして、少なくとも3件の貨物がベルギーに入る前に停止されている。

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