
認定宝石鑑定士協会(AGA)は、Stuller社およびSarineのGCALと提携し、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドを組み合わせた新しいハイブリッドダイヤモンドマスターセットを発表した。このセットは、カラーグレーディングの精度を向上させることを目的としている。
鑑定機関や宝飾業者は、ダイヤモンドのカラーを評価する際の基準としてマスターセット(基準石)を使用する。カラーの評価はダイヤモンドの総合的な価値に大きく影響を与えるため、最終的な価格決定において重要な役割を果たす。
認定ハイブリッドダイヤモンドマスターセットは、2月にアリゾナ州ツーソンで開催されたAGAの年次会議で発表された。AGAの理事会は、同セットをCertified Gemological Laboratoryプログラムでの使用に承認し、GCAL by Sarineがマスターセットのカラーグレーディングを行うことを指定している。
従来の天然ダイヤモンドのみで構成されたマスターセットは、入手困難と価格高騰が課題となっていた。今回のハイブリッドセットは、この課題解決を目指し開発されたものである。ダイヤモンドサプライヤー大手のStuller社は、高いカラーグレードにはラボグロウンダイヤモンドを、低いカラーグレードには天然ダイヤモンドを使用することで、安定供給と低価格化を実現する。
GCAL by Sarineの社長であるアンジェロ・パルミエリは、「マスターストーンは厳しい基準を満たす必要がある。具体的には、VG以上のプロポーション、VS2以上のクラリティ、ファセットカットされたガードル、最小限の蛍光性、そして純粋な黄色の色調を持ちながら、各色グレードの最高を表現しなければならない」と説明した。「人工知能(AI)はこのプロセスをより迅速かつ効率的にし、最終的に宝石学者や宝飾業者にとってマスターセットをより手に入れやすくした。」と述べた。
Sarine社のAI技術は、カラーグレーディングの一貫性を確保し、選択プロセスを簡略化するとAGAは指摘した。GCAL by Sarineは、AIを活用した分析を人間の専門知識と組み合わせて各セットを検証し、認証する。
AGAの関係者によれば、新しいセットは宝石学者や宝飾業者にとってダイヤモンドのカラーグレーディングをより手軽で信頼性の高いものにするという。認定ハイブリッドダイヤモンドマスターセットは、間もなくStuller社から直接購入可能になる予定だ。
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