JKPLANET 上野御徒町店が救世主になる日。年商100億円への布石となる新店舗がオープン。

全国にJKPLANET 12店舗を運営する㈱インクリースの國生大介社長に話を聞いた

少子化や若者の経済力の低下といった漠然とした理由でブライダルジュエリーへの期待が薄まりつつあり対応策に迫られるジュエリー業界であるようだが、消費の二極化や高級志向のトレンドを把握し、商品の大きな入れ替えやブランド力に頼ることなく結婚指輪専門店として自社の強みを伸ばし続け、2024年度には過去最高の売り上げを達成し、2025年度も勢いそのままに攻め続けている株式会社インクリース代表取締役社長の國生大介さんは、銀座本店、銀座2丁目店、表参道店、横浜元町店、埼玉大宮店、名古屋栄店、大阪梅田店、福岡天神店、熊本上通店、宮崎通り店、鹿児島天文館店の11店舗に続き、12店舗目となる新店舗「JKPLANET上野御徒町店」を、2月28日にオープンさせた。

 上野御徒町店は、御徒町駅南口にある松坂屋上野店の北側の好立地に誕生。メイドインジャパンをテーマに30ブランド1500種類の結婚指輪・婚約指輪を取り揃えたブライダルジュエリー専門のセレクトショップ。

 御徒町は東京を代表する上野駅の隣にあるにも関わらず、若者たちからは”御徒町”が読めないなど人気のない街と言われてきたが、ジュエリーとしては日本唯一の宝飾問屋街として有名な地域(地場産業)であり、日本最大級の宝飾専門街として日本全国はもとより海外からも訪れる人が増え始めているなど注目の街のひとつである。

 國生さんは、御徒町を勝負のできるエリアと捉え、店舗名も「上野御徒町店」とした。これはコロナ禍前に出店したビジュピコブライダル上野御徒町本店と同じスタイルだ。御徒町が有する潜在的価値を認めた上で偉大な上野を利用しているスタイルと言えよう。

 そしてもう一つ、國生さんが上野御徒町店を紹介するに当たり「宝飾職人が集う国内最大の宝石の街」と表現している点に注目したい。

 これは小売ならではの発想と言える。もしも問屋であれば「減少する宝飾職人」をイメージして利用しないところだろう。そもそも宝飾問屋街として有名な地域である御徒町は、リューツウをはじめガラジュエリーなど宝飾の小売でも活気のあるエリアとして50年近く続いており、半世紀も問屋と小売りが共存する珍しい魅力あふれる地域として存在しているのである。

 そんな魅力に気づいたきっかけを國生さんは「うさぎクラブ」の人たちだと言う。異業種交流会として”おかちまち”を中心につくられたのが「うさぎクラブ」で、現在も20社以上が全国より集い年6回の懇親を続けており、國生さんは「地域に根差したプロフェッショナルの魅力がある」と説いている。

 そして國生さんは、JJA長堀会長の紹介で日本ジュエリー協会へ入会したほか、ジュエリータウンおかちまち(JTO)にも入会し、地域や産業にも関わっていく。最近は新入会員の動きが活発となっているが、ただ人数を増やすのではなく、その若い力をすぐに活かすための組織改革が同時に必要になってきている。

 また、上野御徒町店で掲げているメイドインジャパンも「プロフェッショナルの良さ」を伝えることを担っている。プロの集まる御徒町だからこそ伝えやすく、プロフェッショナルなものを求める人が御徒町に集まるからこそ掲げたメイドインジャパンであり、そんな仕掛けがあることを視察して感じてもらいたい。

 そして、昨年8月15日発行の「QUALITY」でのインタビューにおいて國生さんは、成功のカギは「集客にある」と答えている。

 既にJKPLANETとしてInstagramの利用は10年目を迎え、フォロワー数は4万人を越えている。映画やテレビロケ地としても話題に上がっているJKPLANETのX関連は5,000万再生とバズっている。

 もちろん継続する力も大事なことだが、毎日50種類以上の細かい施策が繰り返され、トライアンドエラーの中から最適な方法を導き出し続けていることが驚異的なことで、すぐに真似することも不可能である。もちろんAIも活用するが、そこで大事なのはエラーに気づくこと。その為のチャレンジの継続でもあるが、國生さんは有言実行も好むタイプである。

 上記インタビューで「長年にわたり信頼のおけるジュエリーメーカーやブランドとのパートナーシップによって上質なジュエリーの提供をし続けながら『ジュエリー』と『ブライダル』の素晴らしさを届けていきたい」という一つの形が上野御徒町店からも見えてくる。地域性を尊重しつつ地球規模での視点を持ちながら行動に移すという「グローカル」の側面だ。

 ただしW&Jが注目しているのは「グローカル」だけではなく、『ジュエリー』と『ブライダル』をあえて分けて表現しているところだ。

 上野御徒町店は宝飾問屋街の救世主にも成り得るし、「ジュエリー」にも影響を及ぼす可能性を秘めていると言って良いだろう。上野御徒町店に限らず業界や団体がこういったチャンスを生かすも殺すも古い考えに捉われずに新しいことにチャレンジできるかにかかっている。そしてITのプロや職人のプロ、メーカーのプロ、卸のプロといった各々の良質をユーザーに届けるための努力が問われているに違いない。  年商100億円を目指すインクリース國生さんを、これからもW&Jは応援し、業界紙として業界人への良質な記事をこれからも伝えていく。

JKPLANET公式サイト https://www.jkplanet.jp

これは、宝飾時計眼鏡業界の健全な発展を願うThe Watch & Jewelry Today (W&J)の3月15日号に掲載されたものです。https://www.e-tkb.com/

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