ティファニー、クンツァイトを使用した限定「バード オン ア ロック」

ティファニーは7,500カラットの見事なクンツァイト原石を使用し、このデザイン60周年を記念して10個の限定「Bird on a Rock」ブローチを制作すると発表した。

ティファニーの歴史において宝石は特別なポジションだ。特に128.54カラットのティファニーイエローダイヤモンドをはじめとするトップクラスのダイヤモンドが象徴的だ。また、サファイア、エメラルド、ルビーといった三大宝石に加え、ティファニーは多くの「モダン」宝石の普及においても先駆的な役割を果たした。

その中で「レガシー」の宝石と称されるものの一つがクンツァイトだ。この宝石は、アメリカの著名な宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツにちなんで名付けられた。彼は23歳の若さでティファニー初のチーフジェモロジストに就任し、1932年の死去までその地位を務めた。この間にクンツはティファニーダイヤモンドのカットに携わり、友人で顧客でもあるJ.P.モルガンに敬意を表して「モルガナイト」と命名した宝石を提案した。

しかし、ジョージ・クンツが最も記憶されているのは彼が発見し、その名を冠した新しい鉱物であるクンツァイトである。最高品質のクンツァイトは、ライラックからバイオレットの鮮やかな色合いを持ち、非常にクリアな見た目を誇る。

このクンツァイトのティファニーにおける重要性は、同社が25年以上前にモザンビークで発掘された7,500カラット以上のクンツァイト原石を取得したことにより、再度強調された。ティファニーのチーフジェモロジスト兼高級宝石ダイヤモンド部門の副社長、ヴィクトリア・ワース・レイノルズは「この原石の素晴らしい大きさ、透明度、そして色彩は自然の芸術性の稀有な証拠だ」と述べた。

ティファニーはこの素晴らしいクンツァイト原石をそれぞれ45カラットの10個の宝石にカットし、今年60周年を迎えるアイコニックなデザイン、「Bird on a Rock(バード オン ア ロック)」の限定ブローチを制作する。原石の残りはカットされず装飾品となるという。ジャン・シュランベルジェによるこの象徴的なデザインは、近年ティファニーで復活を遂げ、ブランドの中心的存在となっている。このデザインは、ティファニーの高い技術によって非常に細かくデザインされダイヤモンドで装飾された小鳥がシンプルに宝石の上に置かれたデザインで、ジュエリーの魅力を存分に表現している。

この「Bird on a Rock」ブローチの初登場から60周年を記念して、クンツァイトを用いた10個の特注ブローチが制作される。各宝石はカットされ、研磨されているが、それぞれのカットとカラット数が異なるため、全てが唯一無二の存在となる。また、10個という超限定数での製作となるため、トップ顧客はレイノルズとのデザイン仕様の打ち合わせを行い、自身の「Bird on a Rock」を仕立てる機会が与えられる。

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