本メディアでも度々取り上げてきたように、金相場の上昇に伴い中国では純金ジュエリーの人気が高まり売上を拡大している。以前は純金のジュエリーは年配者が購入するものだというイメージがあったが、価値観の変化、そして各ブランドの戦略により現在では純金ジュエリーは若い世代をも惹きつけている。
中国黄金協会が発表したデータによると、2023年の中国全体でのゴールド消費量は前年同期比8.78%増加したという。「2023年ジュエリーアクセサリー産業トレンド白書」によると、18歳から34歳までの若い消費者はゴールドを購入するメインの層となっており、その中には「00后(2000年代生まれ)」の消費者も含まれる。これは中国市場において、市場環境の変化に伴い、若い消費者、特にZ世代がゴールドの主な消費者グループとなっており、若い世代の中でゴールドジュエリーに対する関心が顕著に高まっていることを示している。
若者の間でゴールドジュエリーが支持され購入されているという現象は、人々が金の価値とその美しさを認識しているだけではなく、 自らの個性や嗜好の具体的な表現を追求している結果だと考えられる。
「金には(資産)価値がある」と言われる。純金ジュエリーは資産価値として認知されており、またそれに加えて(特に中華圏では)ゴールドは「幸運をもたらす」象徴だというストーリーが与えられている。ゴールドジュエリーを購入することで、消費者は購入する楽しみを体験し、自分の好きなジュエリーを入手して、「正しいものを購入した」という安心感と共に自分を喜ばせることができる。
ゴールドは「情緒的価値」を伴う。若者がゴールドジュエリーと「恋に落ちる」のは、中国文化圏で長い間培われた豊かなストーリーと美しい「幸運」の祈りに密接に関連している。若者がこのような「幸運を祈る」文化にますます関心を持っている現在、ゴールドジュエリーに象徴される数々の幸運のメッセージは願いと感情を表す象徴となり、若者たちの生活に溶け込み、ますます重要な役割を担うようになった。ゴールドを身につけることは、将来に対する期待と明るい希望のライフスタイルの自己表現となり、さらに文化の象徴にまで進化してきている。
若い世代の消費者の「美」の追求が深まるにつれて、消費の目的として「自身の満足」の好みもますます顕著になっている。ゴールドジュエリーは自分のステータスを示し個性を表現するだけではなく、生活に彩りと幸運をもたらすことができる。ゴールドジュエリーをスタイリッシュに身につけ、個性を表現することは自分を満足させる手段ともなった。
そのような中国でのゴールドジュエリーブームの高まりの中、若い消費者への洞察を高め若年層を惹きつけているゴールドジュエリーのブランドがある。『老庙(老廟 – Lao Miao)』は、上海を拠点とする中国最大のコングロマリットの一つ、復星国際(复星国际有限公司 – Fosun International Limited)の傘下である豫園ジュエリーが展開するゴールドジュエリーブランドだ。
老庙は絶えず革新を追求するゴールドジュエリーブランドだが、そのブランド文化はもともと「幸運をもたらす」というコンセプトに基づいている。上海の幸運の象徴でもある「上海城隍廟」に誕生し、「中国ブランドの促進とジュエリー文化の継承」を使命としている老庙は「東洋の美学」と「差別化された開発戦略」を堅持し、幸運文化を提唱し、「福・禄・寿・喜・財」の五福を拡張し解釈する。流行と伝統的なゴールド文化を融合し、職人技とユニークなデザインを統合し、ファッショナブルでモダンで前衛的なジュエリーを表現している。多くの人々から支持され、今では全国的に有名なジュエリーブランドに成長した。
老庙は常に革新を追求する新しい中国式ゴールドジュエリーブランドであり、ブランドの「幸運」の文化遺伝子を常に継承し、長年にわたりさまざまな製品ラインで一貫してそれ反映させている。現在、老苗は若い消費者の精神的なニーズと文化回帰の傾向をさらに理解し、「幸運」の遺伝子に基づいてその精神を掘り下げ、ブランドの「幸運」の意味合いを常に豊かにしてきた。そうしてさまざまな「幸運」の意味を込めたゴールドジュエリーは、消費者の心に響いている。
また同時に業界のトレンドをフォローし、人々の変化を洞察し、若い消費者グループのゴールドジュエリーに対する関心に積極的に対応している。製品デザインの革新、消費シーン化、マーケティングモデル革新の3つの次元から、同ブランドは若い消費者市場を活性化させ、若い消費者との深いコミュニケーションと対話を展開している。
製品の革新と多様な需要への対応
ゴールドジュエリーの美観とデザインが進歩するにつれ、徐々に多くの若い消費者がそれらに興味を示し、現代のゴールドジュエリーのデザイン多様化とコーディネートの可能性に気づくようになった。老庙はゴールドの文化的な意味と現代的な美しさを兼ね備えたデザインスタイルで消費者に愛されており、市場の変化に常に対応し、製品の革新とデザインの革新に注意を払い、若い消費者の多様な需要に対応している。
ゴールドジュエリーデザイン分野の「個性化」の市場傾向に対して、同社は製品の「幸運」の属性に加えて、ファッション性を絶えず向上させ、製品デザインの最適化に力を入れている。長年、老庙の独自デザインチームは市場リサーチ分析に基づいて、ブランド文化と流行を製品に落とし込み、「幸運」文化の多重な表現でデザインを開発してきた。また同時に、グループの優位性を利用し国内外のデザイン力を活用している。豫園ジュエリーグループのデザイナーグループを利用し、国内外のジュエリーデザイナーなど多分野のデザイナーと協力して、デザインの幅を無限に広げている。
製品革新の面で老庙は若い消費者のデザイン的指向と心理的需要を正確に捉え、カスタマイズ、多様化、潮流化、日常化されたゴールドジュエリーを開発し、これらが多様な生活シーンをカバーし、長年使用できるファッションアイテムとなることを目指している。例えば、ここ数年中国では『国潮(中国伝統文化と現代文化を融合させた新しいスタイル)』がブームになっているが、このブームは今でも続いている。老庙は若者が国潮に熱中する心理的需要をタイムリーに察知し、伝統文化と若者のスタイルを融合させた代表作である老庙・古韻金シリーズを発表した。これは国潮要素と革新的理念を深く融合させるだけでなく、製品のストーリーを絶えず革新しており、それらストーリーとデザインは消費者から厚く支持された。
また結婚を控えたZ世代のグループに合わせて開発された老庙有鹊シリーズの「一金多穿」デザインは、それらの消費者の結婚の儀式に関係するゴールドジュエリーの需要を満たしながら、日常で利用できるデザインとして拡張されており、婚姻の儀式的な需要と日常遣いを両立させている。また親子をターゲットとした「小象呼禄」シリーズでは親子の感情の絆と愛を表現し、「幸運」の要素と共にファッションジュエリーに反映させている。
消費体験の強化と感情のリンク
中国の「2023青年消費調査」によると、ほぼ半分の若者が情緒的価値を重視して消費活動を行っており、人々の消費は単純な「購入使用」から、積極的な参加、没入体験になったことがわかる。老庙もシーン化による現在のトレンドに合った方法を試み続けており、シーン化された消費と端末でのインタラクティブ体験を通じて、消費者に「幸運」のコンセプトを感じさせ、情緒的価値を掘り起こし、深い感情共鳴を構築している。
消費者とのより深いブランドリンクを確立するために、老庙は店舗での消費シーン化の作成に取り組んでいる。例えば、老庙有鹊店では、より時代の流れに沿ったクリエイティブな視点で、従来の印象とは異なる中国のウェディングシーンを表現した新しい空間デザインを採用している。消費者が老庙の中国式結婚式文化を体験できるだけでなく、現代の東洋の生活美学に富んだ結婚式プランを提供し、Z世代の若者にパーソナライズされた結婚式のさらなる可能性を提供している。
また消費者がブランド文化を間近で触れて認識し、ブランドとの関係性を高める取り組みとして、老庙は年末と新年にシティウォークと老庙の「幸運」文化を融合させた老庙ラッキーウォークポップアップイベントを企画、上海や重慶などの都市で開催した。
マーケティングの強化とデジタル活用
Z世代、Y世代が消費者層として参入するにつれ、若い消費者によって牽引されているデジタルショッピングの傾向の洞察とデジタルマーケティングは、老庙と若い消費者とのコミュニケーションの必須科目になった。日増しに上昇する「ゴールドブーム」の傾向の中で、老庙はデジタルチャネル戦略に適応し、若い消費者と良好なコミュニケーションを実現できるブランドマーケティング戦略を模索した。
製品イノベーションを促進するという観点から、老庙は消費者のニーズを積極的に収集し、製品にフィードバックしている。2023年に製品管理センターを設立し、フロントエンドからC端会員の消費データを収集し、ビッグデータ分析を利用して顧客グループと好みを解析し、デザイン、製品、チャネルから端末消費者までのクローズドループを実現し、より効率的でタイムリーに消費者のニーズに応えることを可能にしている。
若い消費者グループがゴールドジュエリー市場で示した驚異的な爆発力は、Z世代の消費者の無限の潜在力を示すだけでなく、「自身の満足」を求める消費の需要を反映しており、これは消費者がゴールドジュエリーの美しさと文化価値を認め、老庙ブランドの「幸運」の遺伝子が中国の人々の世代から世代へと受け継がれてきた普遍的な願いであることを裏付けた。今後も老庙は若い消費者市場の動向をキャッチし、美学を守り、イノベーションで変化に適応し、消費者との感情的なリンクを作成し、社会の課題に積極的に対応していく。
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