天然ダイヤモンド支持派のステファニー・ゴットリーブ、ラボグロウン市場へ参入

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「天然は永遠、ラボグロウンは今」用途による共存を提案

天然ダイヤモンドの支持者として知られてきた米国のジュエリーデザイナー、ステファニー・ゴットリーブが、ラボグロウンダイヤモンドを使用したジュエリーの取り扱いを開始した。

今回発表されたのは、シリコン製のリングにラボグロウンダイヤモンドを組み合わせた「Casual Carats」と、穴を開けたラボグロウンダイヤモンドを用いて、ダイヤモンドが肌の上に浮かんでいるように見せる「Lola」の2コレクションだ。天然ダイヤモンドを中心としてきた同氏の方針転換はジュエリー業界で大きな注目を集めている。

価格下落により「素材としての合理性」が変化

ゴットリーブは、ニューヨークを拠点とするStephanie Gottlieb Fine Jewelryを2013年に設立したデザイナーであり、著名人向けのカスタムジュエリーも手掛けてきた。また、これまでナチュラルダイヤモンド・カウンシル(NDC)のアンバサダーやコンテンツパートナーとして活動しており、天然ダイヤモンドの支持者として広く認識されている。

同氏はこれまでラボグロウンダイヤモンドに懐疑的な立場を取ってきたが、今回の参入理由として、市場価格の変化を挙げている。彼女は、数年前はラボグロウンダイヤモンドの価格に十分な価値を見いだせなかったものの、現在は状況が変化したと説明した。また、従来は価格設定に合理性を感じなかったが、価格の変化によってファッション性の高いジュエリーに適した素材になったとの認識を示した。

日常使いを意識した「Casual Carats」

「Casual Carats」は、カラフルなシリコンバンドに14K(イエローゴールド)の石座を組み合わせ、ラボグロウンダイヤモンドをセットしたリングだ。

ラウンド、ペアシェイプ、エメラルドカット、ハートシェイプなど複数のシェイプが用意され、価格は675ドルから1,850ドルだという。同ブランドはゴットリーブ自身のオリジナルブランドではなく、ヒューストンを拠点とする別ブランドであり、今回Stephanie Gottliebの販売ラインに追加されたものだ。

シリコン素材を用いることで、ジム、ビーチ、旅行、料理、ガーデニングなど、一般的なダイヤモンドリングでは着用をためらう場面でも使いやすい設計となっている。

ゴットリーブは、婚約指輪を休ませたい場面で代わりに着用できるジュエリーとして、この商品を位置付けている。高額で取り扱いが慎重になる天然ダイヤモンドジュエリーとは異なり、日常生活の中で気軽に使うという新たな着用機会を提案している。

穴開け加工で浮遊するダイヤモンドを表現「Lola」

「Lola」は、ラボグロウンダイヤモンドに直接レーザーで穴を開け、糸や最小限の地金でつなぐことにより、ダイヤモンドが肌の上に浮いているように見せるコレクションだ。

4種類のネックレス、3種類のイヤリング、1種類のリング、計8型で構成され、14K(イエローゴールドまたはホワイトゴールド)を使用する。価格は1,065ドルから7,750ドルで、約29.89カラットのラボグロウンダイヤモンドを使用したロングネックレスも含まれる。

ゴットリーブは以前からダイヤモンドに穴を開ける技法に関心を持っていたものの、天然ダイヤモンドには適さないと考えていたと説明している。

天然ダイヤモンドの場合、個々の石の希少性や資産的価値が強く意識されるため、石に直接穴を開ける加工には心理的、経済的な抵抗が生じやすい。一方、ラボグロウンダイヤモンドでは、個々の石の価値よりもジュエリー全体の見た目やデザインを優先しやすい。この点が、大胆な加工や新しい構造を可能にしている。

天然の代替ではない

ゴットリーブは、ラボグロウンダイヤモンドの導入について、天然ダイヤモンドを置き換えるためではなく、顧客に新しい選択肢を提供するためのものであると説明している。

同氏は両者の役割を明確に区別している。天然ダイヤモンドは、婚約、結婚記念日、人生の節目、次世代に受け継ぐジュエリーなどに適した存在であり、今後もブランドの基盤であり続けるとしている。一方、ラボグロウンダイヤモンドは、日常使い、自己表現、ファッション性の高いデザイン、大胆なサイズや構造を実現するための素材として位置付けられている。

この考え方を象徴するのが、ゴットリーブによる「天然ダイヤモンドは永遠であり、ラボグロウンダイヤモンドは今のためのもの」という表現だ。これは、天然とラボグロウンは同一市場で直接競争するものではなく、それぞれ異なる購買動機、着用目的、価格帯に対応するものだと理解できる。

NDCの肯定的な反応

天然ダイヤモンドの普及活動を行うナチュラルダイヤモンド・カウンシル(NDC)も、ゴットリーブのインスタグラム投稿に対して肯定的なコメントを寄せた。

NDCは、消費者が天然とラボグロウンの違いを正しく理解することが、天然ダイヤモンド固有の特性や長期的価値への理解につながるとの趣旨を示している。

天然ダイヤモンドの代表的な支持者がラボグロウンダイヤモンドを扱うことは従来の立場との矛盾にも見える。しかし、両者の違いを明示し、用途や価値観によって選び分ける販売方法であれば、天然ダイヤモンド支持の立場とも矛盾はなく、また天然ダイヤモンド側から見ても否定されるべき理由はないだろう。

「二者択一」から用途別の選択へ

ゴットリーブは、消費者が天然かラボグロウンかのどちらか一方だけを選ぶ必要はないと述べている。

天然ダイヤモンドの婚約指輪を大切にしながら、ラボグロウンダイヤモンドのイヤリングを日常的に使用することは両立する。人生の重要な節目には天然ダイヤモンドを選び、日常の自己表現にはラボグロウンダイヤモンドを使うという消費行動は、今後さらに一般化する可能性がある。

また同社は今後、革新的なデザインだけでなく、テニスジュエリーやスタッドピアスといった定番商品にもラボグロウンダイヤモンドの展開を広げる方針だという。追加コレクションは2026年9月にも発表される予定だ。

かつてラボグロウンダイヤモンドは単に天然ダイヤモンドの低価格な代替品として販売されていたが、現在では特定のデザイン、用途、着用場面に適した独立した素材として再定義されつつある。天然とラボグロウンは必ずしも対立構造にあるものではなく、それぞれの特性に合わせて商品企画と販売目的を分けることができる。

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