EUはロシアダイヤモンドに対する制裁に猶予を設ける

欧州連合は、ロシア産ダイヤモンドに対する制裁の「暫定期間」を6ヶ月延長し、規則発効前の重要な譲歩を加えた。

EUは月曜日の声明で、ダイヤモンド原石およびポリッシュ天然ダイヤモンドの輸入に対するトレーサビリティプログラムは、以前予定されていた2024年9月1日からではなく、6ヶ月後の2025年3月1日から義務化されると述べた。

これは、デビアスや他の業界関係者がこの暫定期間を延長するよう求めていたことを受けてのもので、この期間中、輸入業者はダイヤモンドがロシア産でないことを示すために他の文書を使用できる。

この期間が終了すると、EUへのダイヤモンド輸入業者が0.50カラットを超えるダイヤモンドを輸入するためには、トレーサビリティに基づく認証制度を使用する必要がある。

EUはまた、この規則発効前にEUまたはロシア以外の第三国にあったダイヤモンド、または第三国で製造されたダイヤモンドを免除する「除外条項」も追加した。 EUによるロシアからのダイヤモンドの直接輸入禁止は2024年1月1日に始まり、ロシア国外で加工された商品の禁止は3月1日に始まった。

ロイター通信は先月、この譲歩が検討中であると報じていた。

「何カ月にもわたる激しい交渉の末、いわゆる『特例在庫(規則発行前にロシア以外にあったダイヤモンド)』の正規化を認める方向に舵を切ることに成功したことを非常に嬉しく思う」とアントワープ・ワールドダイヤモンドセンター(AWDC)は述べた。「これらの(特例在庫)商品を制裁し、その取引を禁止することは、ロシアの収益に重大な影響を与えることができないばかりか、ダイヤモンド企業に不当で厳しい財政的負担を課すことになる。」と説明した。

さらに、ジュエリー展示会や修理などでの目的でのEUへの一時的なジュエリーの輸出入は禁止の対象とならない。さらに、EUは、第三国で加工されたロシア産ダイヤモンドをセッティングしたジュエリーの禁止を、EUの執行機関である欧州理事会が「発動を決定する」まで延期したとEUの声明は述べた。

EUは、ロシアウクライナ戦争勃発以来14回目の対ロシア制裁措置の一部となる今回の更新は、当初12回目の措置で実施したロシア産ダイヤモンドの輸入禁止措置を「微調整」するものだとしている。

今月初め、デビアスは、ロシア産ダイヤモンドに対するG7制裁の暫定期間を1年間延長するよう求めた。ルールを課すのは、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7加盟国とEUのそれぞれの国だ。EUには、ロシアの鉱山会社アルロサのダイヤモンド原石の歴史的最大の輸出先であるベルギーがあるため、これは重要な意味を持つ。

また米国では現在、1カラット以下のダイヤモンドに対して輸出入業者の自己証明を義務付けており、9月1日からはこの対象が0.50カラットに引き下げられる。ワシントンDCを訪れた最近のジュエリー業界代表団は、EUと同様の「特例在庫に対する適用除外」条項を求めている。

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