JLGDA、LGDCなど国際7団体・関係者とCIBJOへ共同意見書 LGD用語変更の再検討求める

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CIBJOのDiamond Blue Book改訂案を受け国際的な共同提出

日本ラボラトリーグロウンダイヤモンド協会(JLGDA・代表理事 伊藤拓也)は、Laboratory-Grown Diamond Council(LGDC)をはじめとする世界各国・地域の業界団体および関係者と共同で、CIBJO(国際宝飾連盟)に対し、ラボラトリーグロウンダイヤモンド(LGD)の名称・用語に関する意見書を提出した。

意見書は2026年9月2日付でCIBJOのGaetano Cavalieri会長宛てに提出され、CIBJO Diamond Commission、Laboratory-Grown Diamond CommitteeおよびCIBJO Board of Directorsへの回覧も要請している。

背景にあるのは、CIBJO Diamond CommissionがDiamond Blue Bookから「laboratory-grown diamond(ラボラトリーグロウンダイヤモンド)」と「laboratory-created diamond(ラボラトリークリエイテッドダイヤモンド)」の用語を削除することを検討していることだ。

共同意見書は、この変更についてヴィチェンツァで開催されるCIBJOの総会で最終決定を行うことを延期し、影響を受けるステークホルダーや消費者を含めた、より広範な協議を実施するよう求めている。

LGDC、DMCC、DPC、日本・香港など複数の組織が参加

今回の共同意見書には、LGDC、Diamond Producers Council(DPC)、Dubai Multi Commodities Centre(DMCC)、Grown Diamond Trade Organization(GDTO)、香港ラボラトリーグロウンダイヤモンド協会(HKLGDA)、日本ラボラトリーグロウンダイヤモンド協会(JLGDA)、Lab-Grown Diamond and Jewellery Promotion Council(LGDJPC)などが署名者として名を連ねた。さらに、先端材料分野からAppsilon Advanced Materialsの関係者も参加している。

LGDCは、ラボラトリーグロウンダイヤモンドに関する国際的な連携を進める組織であり、今回の意見書ではLGDC Steering CommitteeのConvenorを務めるTom Chatham氏が、DPCのKatharina Schmitt会長、DMCCのAhmed Bin Sulayem Executive Chairman兼CEOとともに提出文書に署名している。

一方、日本ラボラトリーグロウンダイヤモンド協会は、日本国内におけるLGDの正しい理解と市場の健全な発展を目的に活動する業界団体である。今回の共同意見書には、同協会の代表理事である伊藤拓也氏が署名者として参加した。

今回の動きは、LGDを巡る国際的な課題に対して、単一の企業や一つの国・地域ではなく、複数の市場・組織が連携して意見を表明した点に特徴がある。

「用語は英語だけの問題ではない」

共同意見書が重要な論点として挙げているのが、ダイヤモンドの名称・用語は単純な英語表現の問題ではないという点だ。

「laboratory-grown diamond(ラボラトリーグロウンダイヤモンド)」「laboratory-created diamond(ラボラトリークリエイテッドダイヤモンド)」「synthetic diamond(合成ダイヤモンド)」は、長年にわたり国際取引や消費者とのコミュニケーションの中で併存してきた。意見書では、「laboratory-grown diamond」は現在、消費者、小売、メーカー、鑑定機関、業界団体などによって世界的に広く使用されていると指摘している。

さらに、英語が各地域の言語と併用されている市場では、英語の用語が地域特有の意味やニュアンスを持つ場合があり、その翻訳が、その市場ですでに使用されているLGDの名称と一致しない可能性もあると指摘する。

そのため、部分的に用語を変更するのではなく、主要な市場と言語を対象として、より広範に用語を検討する必要があるとの考えを示している。頻繁な用語変更そのものが、消費者の混乱を増大させる可能性についても言及した。

この論点は、非英語圏である日本市場にも直接関係する。国際的な用語の統一性だけでなく、各市場において翻訳された用語が消費者にどのように理解されるかを考慮する必要性を示すものだ。

「変更への反対」ではなく、幅広い協議を要求

共同意見書は、CIBJOの提案そのものを撤回することや、現在の用語を将来にわたって変更しないことを求めているわけではない。求めているのは、各国・各分野のLGD関係者、小売事業者、消費者代表、宝石学・科学・技術分野の専門家などを含めた幅広い協議だ。また、国際規格や各国規制当局が使用する用語を検討するとともに、可能な範囲で、それぞれの用語を消費者が実際にどのように理解しているのかについて独立した調査を行うことも提案している。

声明では、「Consumer protection should be based on evidence of consumer understanding, not assumptions about what consumers ought to understand.」との考えを示している。すなわち、消費者保護は「消費者がどう理解すべきか」という想定ではなく、「実際に消費者がどう理解しているのか」というエビデンスに基づくべきだという主張だ。

天然とLGD、対立ではなく対話を

共同意見書は天然ダイヤモンドとLGDの対立を意図したものではないことも明確にしている。

天然ダイヤモンドとLGDにはそれぞれ異なる歴史と商業的な価値提案がある一方、双方とも最終的にはダイヤモンドとジュエリーに対する消費者からの信頼に依存しているとの認識を示した。その上で、現在必要なのは議論を狭めることではなく、より幅広い関係者による対話であるとしている。

今回の共同提出は、LGD市場がグローバル化する中で、用語や消費者保護を巡るルール形成についても、国境を越えた議論が必要になっていることを示している。

日本ラボラトリーグロウンダイヤモンド協会がこうした国際的な共同声明に参加したことは、日本市場が海外で形成されたルールを受け入れるだけではなく、日本市場の実情を国際的な議論へ反映させる側に加わったという点でも注目される。LGDCを軸とした各国・地域の組織間連携が、今後のLGDを巡る国際的なルール形成や市場整備にどのような影響を与えるかが注目される。

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