国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 22.11.13[RAPAPORT]

  • インドのサプライヤーはディワリ休暇から復帰しており、ポリッシュダイヤモンドの取引は慎重。
  • 米国市場の需要が市場を牽引している。
  • 宝石小売店は経済が不安定な時期に在庫を持つことを敬遠しており、メモ取引に集中している。
  • NFT(米国小売連盟)は11月~12月の小売上総額を前年比+6%〜+8%と見込んでおり、シーズンへの期待が高まっている。
  • 一方で、JBT(ジュエリー貿易委員会)が第3四半期に報告した全米のジュエリー企業数は23,702社となり、約2%減少した。
  • インドのジュエリーブランドはシェアを増やしている。タイタン・カンパニーの第2四半期の売上は11億ドルで+22%、利益は1.1億ドルで+30%となった。
  • ダイヤモンド原石の取引は少なく、二次マーケットでのデビアス商品は減少。
  • ブルーナイルはラボグロウンダイヤモンドを拡大、ブライダルジュエリーを開始。
  • ジェム・ジュネーブ展示会ではハイエンド市場に楽観的な見方。
  • クリスティーズ・ジュネーブオークションでは合計5,750万ドルを販売し、出品ロットの87%が落札された。フォーチュン・ピンク・ダイヤモンド(ペアシェイプ、18.18ct、ファンシーヴィヴィッドピンク)は 2,880万ドル (約160万ドル/ct) で落札された。
ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアムとショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30~1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。 消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

ジュエリーメーカーはホリデーに向けた小売市場からの最終的な注文を受けており、ダイヤモンドディーラーはそのための商材を売り込んでいる。現在、米国の消費流通と小売販売は正常に推移している。ハイエンドジュエリーはが好調で、D~Fカラーの需要が堅調。一般的な商品カテゴリーは比較的弱い。そのためサプライヤーは、1.00〜2.50ct、G-I、VS-SIの在庫が増加している。細長いファンシーシェイプの人気が高まり、今シーズンはファッションジュエリーの好調な販売が期待されている。

ベルギー

(アントワープを拠点とする)インド業者はディワリ休日から戻ってきており、市場活動は活発になってきている。ジェム・ジュネーブショーでのビジネスは比較的複雑。多くのハイブランドはダイヤモンドジュエリーコレクションを立ち上げようとしており、サプライヤーはそこに販売しようと考えている。0.30~1.0ct、G-J、VS-SI、3EX、NONEの需要は安定している。大粒のファンシーシェイプは好調で、調達が難しい。ダイヤモンド原石の取引は慎重。

イスラエル

市場は比較的静かで、業界は米国市場からのホリデーシーズン用の注文の対応に集中している。多くの業者はジェム・ジュネーブ展示会へ訪れ、そこでの取引は比較的安定的だった。インドからのダイヤモンドの購入が再びはじまったが、ディワリ前に比べてインドのサプライヤーは値引きが消極的になっている。中国国内の成長は緩やかだが、0.30ct、D-F、IF-VVS2の価格は安定している。ダイヤモンド原石の取引は比較的慎重で、デビアスの商品は二次流通市場にはほとんどない。

インド

米国の需要が減少しており、ポリッシュダイヤモンドの取引が減速している。中国本土の市場からの需要は弱いが、香港からの需要は改善している。0.30~0.40ctの鑑定書付ダイヤモンドの取引量は小さい。一部の企業はビジネスを再開しているが、ディワリの閉鎖は依然としてビジネス活動に影響を与えている。多くのスーラト工場は11月14日から21日の間に再開する予定になっている。ポリッシュダイヤモンドの生産レベルは低いが、11月後半には通常にと見られている。サプライヤーはディワリの休暇前に大幅な割引を提供していたが、現在では価格の安定性を取り戻している。

中国・香港

年末年始の連休を前に市場活動は回復し始めており、香港と中国本土の小売業者からの需要は徐々に改善されている。しかし、前年同時期と比較すると弱い。中国国内の消費者は低価格帯の商品に転向し始めている。サプライヤーは大量の在庫を持っており、商品を回転させるために価格を引き下げる準備をしている。1.50ct、D-I、VS-SIの需要は安定しているが、最近のダイヤモンドの価格下落を受け売り手は利益を得ることが困難であると感じている。

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