カミラ王妃は戴冠式でコ・イ・ヌール王冠を着用しない

カミラ王妃は彼女の夫であるチャールズ3世の戴冠式でコ・イ・ヌール王冠を着用する予定となっていたが、バッキンガム宮殿は2月14日、この係争の的になっているコ・イ・ヌールダイヤモンドがセットされている王冠を着用しないと発表した。

その代わりに、カミラ王妃は1911年の戴冠式のためにガラードによって製作されたメアリー女王の王冠の修正版を着用し、カリナンIII、IV、Vダイヤモンドがセットされる。

このコ・イ・ヌール王冠を着用しないという発表は、インド、パキスタン、イラン、アフガニスタンが主張するコ・イ・ヌールの所有権をめぐる長年の紛争を解決するものにはならないが、少なくともカミラ王妃が着用した場合に起こる不可避の紛争の拡大を防ぐことにはなるだろう。

バッキンガム宮殿は、「女王陛下によるメアリー女王の王冠の選択は、持続可能性と効率性を考慮し、新しい王冠を製作するのではなく既存の王冠が配偶者の戴冠式に使用されるという、最近の歴史の中では初めてのことになります。」と述べている。

この王冠は5月6日に予定されている戴冠式に先立ち、修理と修正のためロンドン塔の公開展示から取り下げられている。

当時のデイリーメールの報道によると、エリザベス2世女王は死の直前に「カミラは(コ・イ・ヌールの)王冠をかぶるべきだ」と述べたという。

14世紀、当時186ctsの重量のゴルコンダダイヤモンドであったコ・イ・ヌールは、第二次シーク戦争によって1849年にパンジャーブがインド帝国の支配下に入り、マハラジャによって、インド帝国を統治する女帝であったエリザベス女王にコ・イ・ヌールが献上された。その後1851年のロンドン万国博覧会にて展示、しかし元々施されていたインド式ムガルカットでは輝きが不十分だったため、アムステルダムから職人を呼び寄せ再カットし、王冠にセットされている現在の形状になっている。

1937年、ジョージ6世の戴冠式で着用するためエリザベス女王2世の母親のために作られたプラチナの王冠にコ・イ・ヌールがセットされ、そして1953年にはエリザベス女王2世自身が戴冠式で着用している。

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