
ニューヨークのダイヤモンドディーラーであるマナシェ・セザナエフが、2人の業者を相手に46万ドルの詐欺を働いたとして、大規模窃盗罪で有罪を認めた。セザナエフは、ニューヨークのダイヤモンドディストリクトで「レイチェルズ・ダイアモンド」を経営しており、裁判所は彼に5年間の保護観察と20万ドルの弁償金支払いを命じる見込みだ。セザナエフはすでに該当金額を支払い、20万ドル相当のダイヤモンドも返却した。
2月、ある業者がセザナエフのオフィスを訪れ、18万5000ドルと7万5000ドル相当の天然ダイヤモンド2つを見せた。セザナエフは購入に関心がある様子を示したが、業者が背を向けてセザナエフがダイヤモンドをカラット秤で計量している隙に、同氏は天然ダイヤモンドを模倣して再カットし、GIAの偽造レーザー刻印が施されたラボグロウンのダイヤモンドとすり替えた。
翌月、セザナエフは別の業者に対し、20万ドル相当の天然ダイヤモンドに興味を示す顧客がいると説明。同じ日にラボグロウンダイヤモンドを購入し再カットし、また偽のGIAレーザー刻印を施して天然ダイヤモンドに見せかけるようにした。4月にセザナエフは顧客を偽った人間と一緒にその業者に会い、そのダイヤモンドを検査した。その業者はその後、セザナエフから返却されたダイヤモンドが自分の元のダイヤモンドではなく、それを模倣してカットされたラボグロウンダイヤモンドであることに気づいた。
マンハッタン地方検事のアルヴィン・ブラッグは、「マナシェ・セザナエフは業者からダイヤモンドを盗み、別の石とすり替えた責任を問われる。」と述べた。また「我々は、消費者を欺く者を引き続き追訴し、不正な商取引を行う者を許さない。」とも付け加えた。
セザナエフは第2級の大規模窃盗罪2件、第1級の詐欺計画罪1件、第3級の偽造道具所持罪3件で起訴されており、第2級の大規模窃盗罪の1件についてのみ有罪を認めた。残りの26万ドルの弁償義務や他の罪状については、現時点では明らかにされていない。
今回の事件は、世界的にもダイヤモンド取引で有名なニューヨークで発生したことで、ダイヤモンド業界全体に衝撃を与えている。近年、ラボグロウンダイヤモンドの技術は急速に進歩しており、肉眼またはルーペや顕微鏡などの外観検査で天然ダイヤモンドと見分けるのは不可能だ。今回の事件はダイヤモンド鑑定の重要性を改めて認識させるとともに、信頼できる業者と取引することの重要性を示唆している。
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