国際ダイヤモンド業界市場最新動向 22.06.03[RAPAPORT]

ラスベガスJCKショーを目前にして期待が高まっている。
経済的警戒があるにもかかわらず、米国は市場の需要がマーケットを支えている。
中国市場は低迷気味だが、コロナによるロックダウンから復帰し始めている。
一部のカテゴリーで市場在庫は減少しているが、ポリッシュダイヤモンドの価格は安定している。
5月の1ctのRAPI (RapNet Diamond Index) は-0.5%となった。
小サイズの原石は強気、ロシア制裁による供給不足により、入札価格は高くなっている。
幾つかの大手研磨業者はアルロサの商品を仕入れている。
多くの業者は来週のデビアスのサイトに期待している。
Asian Star (インドサイトホルダー)の年度売上は+73%で5.7億ドル、利益は+47%で1300万ドルとなった。
ボツワナの鉱山会社、デプスワナはマネージングディレクターとしてアンドリュー・マートラ・モトソミを任命した。
ラパポートは6月12日、JCKショーで恒例のRapaport Breakfastを開催する。

ファンシーシェイプダイヤモンド

マーケットは減速。供給不足が価格を支持している。1.20〜3.99ct、F-J、VS-SIが最もホットなカテゴリになっている。オーバルを筆頭に、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。ファンシーシェイプダイヤモンドを使用したエンゲージメントリングへの関心が高まっている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。中国でのファンシーシェイプの需要は市場全体を助けている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

高インフレ、金利、株式市場の低迷の懸念があるにも関わらず、マーケットは安定している。ラスベガスJCKショーの準備をしている業者は、このイベントが2022年下半期の好調に繋がることを期待している。ハイクオリティ、特にアメリカ市場の消費者に人気のあるカテゴリー(1ct、G-I、SI)が不足している。オーバル、クッション、ラディアントに対する需要が強い。エステートジュエリーセグメントは好調。

ベルギー

時期的にポリッシュダイヤモンドの取引は穏やか。ロシア産の原石供給が減少する中、特定のカテゴリーの在庫が不足している。ハイクオリティのファンシーシェイプは少ない。来週のデビアスのサイト(6/6-6/10)に先駆け、セカンダリーマーケットの原石はプレミアム価格に。ユーロ建で商売する企業は対ドルレートによって収益を圧迫している。

イスラエル

オーダーに対応するための収益性のあるダイヤモンドを探すのにディーラーは苦戦している。インドに買い付けに行ったものの成果を出せない人も多い。商品不足は価格水準を支持しているが、主要小売市場は需要に慎重な姿勢。JCKショーの出展者は良い結果を期待している。イスラエルとUAE(アラブ首長国連邦)は関税協定に署名した。イスラエルダイヤモンド取引所はパンデミック以来初となるBlue & White Fairを開催している。

インド

ラスベガスJCKショーへの準備が進むにつれ、期待は高まっている。米国の注文は安定している。中国はコロナ封鎖の緩和後に再開する予定。1.50ctアップ、I-M、SI2-I1の需要は良好。小サイズは安定傾向にある。0.20〜0.70ctの動きが活発。インドの休暇、中国需要の低迷、ロシア原石の不足によりポリッシュダイヤモンドの生産レベルは低くなっている。

中国・香港

香港ではパンデミック規制が緩和されるにつれ地元経済が活動を再開し、卸売及び小売宝石店では楽観的なムードになりつつある。結婚式の急増により業界はポジティブ。4月のジュエリー、腕時計、置き時計、その他ラグジュアリーグッズの売り上げは14%増加。1ct、D-I、VS2-SI2は堅調な需要がある。中国本土のマーケットは依然緩やか。ロックダウン措置が緩和されたにもかかわらず、個人消費は依然として慎重な姿勢を見せる。

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