GIAはプリントレポートの再導入を決定

GIAはダイヤモンド業界からのプレッシャーにより、4月9日から追加料金なしでプリントレポートを再導入することを決定し、紙のレポートを廃止するという昨年の決定を撤回した。

今年1月2日以降、GIAは最も需要の高いレポートであるダイヤモンド・ドシエをデジタルのみの形式で発行していた。ダイヤモンド・ドシエは、0.15~1.99ct、D〜Zカラーのダイヤモンドが発行対象になっている。

プリント(紙)形式のドシエの終了は、2025年までに紙のレポートを全て廃止し紙とプラスチックの使用を削減するというGIAの大きな計画の最初のステップだった。

しかし、デジタルレポートのセキュリティに関する懸念、また英語圏以外の地域でクライアントがデジタルフォーマットの使用に問題があることなどを理由に、ダイヤモンド業界はこれに難色を示した。また、消費者が紙ではないレポートを拒否したという意見も見られていた。

「率直で建設的なフィードバックに感謝します。」と、GIAのエグゼクティブバイスプレジデント兼チーフラボラトリーアンドリサーチオフィサーであるトム・モーゼスは4月6日にクライアントに宛てた手紙の中で述べた。「熟考の末、4月9日からプリント版のGIAダイヤモンド・ドシエ・レポートに戻ることにしました。」と説明してる。

モーゼスの発表には次の内容が含まれている。

– 4月9日以降にGIAに提出されたすべてのダイヤモンドは、プリント版のダイヤモンド・ドシエとともに返却される。これは1月のペーパーレス導入前に発行していたものと同じ種類のレポートとなる。

– GIAは、リクエストに応じてデジタルのみのレポートを受け取ったクライアントに対して、無料でプリント版のダイヤモンド・ドシエを提供する。

– デジタルのみの形式のレポートの有効性は変わらない。

モーゼスは次のように締めくくっている。「デジタル形式のみのダイヤモンド・ドシエへの変更、またプリントレポートの再導入の両方が、あなたのビジネスに何らかの混乱を引き起こした可能性があることを認識しており、またご理解に感謝します。」

GIAの広報、スティーブン・モリソーは、この新しい変更は、もともとデジタル形式として提供されているGIAのラボラトリーグロウンダイヤモンドレポートには影響を与えないと述べた。

発表後の声明で、GIAの上級副社長兼最高執行責任者であるプリテシュ・パテルは、「デジタルのみのGIAダイヤモンド・ドシエ・レポートを採用する際の課題を十分に予測していなかった。」と認めた。

GIAは、紙資源を節約するための環境的な対応として、デジタル化を進めていた。モーゼスは声明の中で、「GIAは環境に優しく安全な製品を作り続けるつもりだ」と述べた。

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