ラボグロウンダイヤモンド広告の裁定に企業は異議を唱える

英国のラボグロウンダイヤモンド製造企業、スカイダイヤモンドの創設者であるデール・ビンスは、英国の広告基準局(ASA)が同社の製品を説明する際に「合成」「ラボグロウン」「ラボクリエイテッド」などの用語を使用する必要があると主張したことを受けて、控訴する予定であると述べた。

デール・ビンスは、同社が太陽、風、雨、大気中の炭素を利用して「完全に空から作られた世界初で唯一のダイヤモンド」を生産しているため、「ラボグロウン」とまたそれに類する説明は不正確になるだろうと述べている。

ASAは、ナチュラルダイヤモンドカウンシル(NDC)からの申し立てを受けて、今年4月にスカイダイヤモンド社に対して、ダイヤモンドが天然ではないことを明確に示されておらず「誤解を招く」用語を使用したとして禁止の判決を下した。

ビンスはフィナンシャル・タイムズに対し、「ASAのやり方には失望している」と語った。「これは明らかに競合他社からの苦情であり、それについては別のプロセスが必要になるだろう」と付け加えた。

同氏は、スカイダイヤモンドはASAの決定に対して控訴するつもりであり、最終的にはASAが公的機関としての権限の行使方法に異議を唱え、司法審査を求める用意があると述べた。

同社は当面、「マンメイド(人工)ダイヤモンド」という用語を使用する予定だが、この用語はASAが許容するとしている記述子の中にはない。

スカイダイヤモンドが2023年2月に「完全に空から作られた世界初で唯一のダイヤモンド」という見出しの新聞見開き広告を掲載した際、これに対してNDCは苦情を提出した。

その下の広告には「私たちは、太陽、風、雨、そして私たちが過剰に摂取している大気中の炭素という 4 つの自然の材料を使ってダイヤモンドを作ります。そうすることで、私たちの技術はマイナスをプラスに変えます。空から採掘できるようになったので、二度と地球から採掘する必要はありません。」と記載されている。

その後ASAは、スカイダイヤモンド社に対し、「シンセティック(合成)」「ラボラトリーグロウン」「ラボラトリークリエイテッド」などの明確で目立つ修飾語、または同じ意味を消費者に明確かつ目立つようにを伝える方法を用いずに自社のラボグロウンダイヤモンドを単独で説明すること、「ダイヤモンド」「完全に空から作られたダイヤモンド」「スカイダイヤモンド」という誤解を招くような用語を使用することを禁止すると判決を下した。 また、「本物のダイヤモンド」という用語の使用も避けるようにと述べた。

ラボグロウンダイヤモンド業界そして企業にとって消費者に明確に(天然ダイヤモンドと誤解されない)表現方法を用いることは必須だが、実際に「物理的」「化学的」にダイヤモンドであるラボグロウンダイヤモンドに対して、どこまで表現を制限できるかは業界には疑義がある。米国の連邦取引委員会(FTC)は2018年に、採掘されたか製造されたかに関係なく「ダイヤモンドはダイヤモンドである」と判断しており、ダイヤモンドの定義から天然であるという条件を削除している。

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