デビアス、LIGHTBOX(ライトボックス)の価格引き下げテスト

デビアスは、自社のジュエリーブランド「LIGHTBOX(ライトボックス)」で販売するラボグロウンダイヤモンドの価格引き下げを検討していると木曜日に明らかにした。

デビアスの親会社であるアングロ・アメリカンは2023年の結果報告で「ラボグロウンダイヤモンドの卸売価格は急激に下落しており、一部の大手ラボグロウンダイヤモンド生産会社は財務上の困難に陥っている。」と指摘し、「これらの価格下落は、デビアスのライトボックスブランドが大幅な値下げをテストすることで、小売価格のさらなる大幅な値下げにつながることが予想されます。」と述べた。

またアングロ・アメリカンは「これらの値下げにより、ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドのジュエリーの根本的な違いについての消費者の理解がさらに強化される。」と述べた。

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ライトボックスの現在の価格

ライトボックスは現在、通常ラインのラボグロウンダイヤモンドに1カラット当たり800ドルの小売価格をつけており、高品質ライン(FINEST)は1カラット当たり1,500ドルとなっている。また、低品質ライン(BASICS)は1カラットあたり600ドルで販売している。(いずれもルース価格)

尚、ライトボックスはカラット範囲によって1カラット単価を変更しない、品質毎の定額制を採用していることで知られている。

テスト価格

デビアスの広報担当者は木曜日、通常ラインはルースストーンで1カラット当たり600ドルの価格になり、高品質(FINEST)ラインはルースとセットジュエリーの両方で1カラット当たり1,000ドルになる予定だと述べた。また、 「このテストは、ライトボックスが一般的な(ラボグロウンダイヤモンド)セクターの動向を確実に反映することに重点を置いている。」と付け加えた。

この価格テストの発表は、天然ダイヤモンド市場に対するラボグロウンダイヤモンドへの影響もあり、デビアスが2023年の売上高の大幅な減少を記録した中で行われた。

2023年のデビアスの業績

アングロ・アメリカンの発表によると、デビアスの収益は12カ月で36%減の42.7億ドルとなった。販売量は19%減の2,470万カラットとなり、平均販売価格は25%減の1カラット当たり147ドルとなったが、これは低価格原石の割合増加と同社の原石価格指数の6%低下を反映したものだ。また前年5.52億万ドルの利益だったの対し、3.14億ドルの損失となっている。

アングロ・アメリカンは、ポリッシュダイヤモンドの市場在庫が増加し、宝石店が新しい在庫の仕入れに慎重な姿勢をとったため、2023年には原石需要が大幅に減少したと説明した。経済的課題とラボグロウンダイヤモンドの増加は天然ダイヤモンドに対する消費者の需要に影響を与えている。しかし、ラボグロウンダイヤモンドの小売売上高は増加したが、卸売価格は下落している。

また、中国の経済的課題により消費者信頼感が低下し、すでに抑制されていた2022年の水準と比較して需要が「わずかに」減少したと同社は付け加えた。

これに関連して、ポリッシュダイヤモンドの市場在庫は年間を通じてさらに増加し、卸売価格を圧迫した。インドが2023年10月15日から12月15日までの2か月間、ダイヤモンド原石の輸入を自主的に凍結したことと、2023年の最後の2つのサイト(デビアスの原石販売会)でサイトホルダーに完全なフレキシビリティを提供するというデビアスの決定により、第4四半期のダイヤモンド原石の売上高は非常に低かったと同社は続けた。米国ではホリデーシーズン中の小売需要が改善し、業界の状況は第4四半期に安定し始めていた。

アングロ・アメリカンによると、デビアスは予想を下回る価格と予想される消費者需要の減少により、事業価値の純減損15.6億ドルを計上したという。これは、主に米国と中国の経済不安と米ドル高を反映しており、米ドルの需要に悪影響を及ぼしている。同社はまた、ダイヤモンド原石在庫の価値を2億ドル減損した。

ただし、この計算では、将来の天然ダイヤモンドセクターに対するラボグロウンダイヤモンドの影響の減少が考慮されているという。

ラボグロウンダイヤモンドの影響

アングロ・アメリカンは、「現在の市場での大幅かつ明確な価格と消費者向け商品の格差を考慮すると、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドとは異なる製品として明確に確立されると考えられる。」と述べた。「中長期的には天然ダイヤモンド市場に与える影響は限定的になり、ラボグロウンダイヤモンド製品と天然ダイヤモンド製品の間で差し迫った分岐点が生じると予測している。」と説明した。

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