イスラエルのビジネス誌”Calcalist”は、かつて有望視されていたイスラエルのラボグロウンダイヤモンド企業であるLusixが950万イスラエルシェケル(約250万ドル)で売却されたと報じた。
報道によると、買い手は日本を拠点とするラボグロウンダイヤモンドシードの生産者である株式会社イーディーピーのオーナーである藤森直治氏だという。インドのラボグロウンダイヤモンド企業であるFenixもLusixに入札したと報じられているが、Fenixはコメントを控えている。
この取引には裁判所の承認が必要だ。Lusixは今月初め、イスラエルの破産法に基づいて債権者保護を申請した。
このLusixの売却価格の安さは意外だ。同企業は1億5,200万ドルの資金提供を受けたと報じられている。同社は2022年に、LVMHラグジュアリーベンチャーズが参加した投資ラウンドで9000万ドルを調達したと発表した。LVMHは後にタグホイヤーの腕時計にLusixのダイヤモンドを使用している。
同社の管財人シャイ・バー・ニールは、Calcalistが引用した法的文書の中で、価格が下落したのはおそらく安全保障上の懸念によるものだと述べた。「イスラエルの状況を考慮すると、同社に投資家を集めるのは困難だった。」と同氏は述べた。「関心のある投資家がイスラエルに来るのは困難だった。このような状況下では、さらなる買い手を探し続けることは不可能であり、(Lusixは)会社を売却し資産を譲渡するために迅速に行動しなければならなかった。」と説明した。
Calcalistの記事によると、Lusixの従業員65人のうち少なくとも20人がイーディーピーで働く予定だという。
Lusixの創設者兼会長であるベニー・ランダはこの報告書の詳細に異議を唱えなかったが、「私たちは、技術的にも商業的にもラボグロウンダイヤモンド業界をリードするという野心を持ってLusixを設立しました。実際、品質とカラーの両面で我々の技術は驚異的です。しかし、今や市場には安価なインド産ダイヤモンドがあふれ、ラボグロウンダイヤモンド原石の卸売価格はわずか2年で90%以上も下落しており、今日ではインドの補助金を受けている企業の低価格の電力と超低賃金の労働力と競争することはできないのです。」と述べた。
また、「まだ書き残すべき章が残っています。Lusixには、いつか再び競争の場を平等にできる技術があります。イーディーピーとLusixの統合により、それが実現することを期待します。」と語り、「傍観者として、できる限りLusixをサポートするつもりです。Lusixは今でも私の宝物ですが、私には他にも宝物があります。」と語った。
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