ラボグロウンダイヤモンドのシェアが50%を超えるのはいつか? – エダン・ゴラン

いずれかの時点で、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドの販売シェアを上回るだろう。天然ダイヤモンド資源は有限のため時間の経過とともにその供給量は減少する。これは当然の理屈であり、分析するまでもない。ラボグロウンダイヤモンドは工場で製造され、その原料はほぼ無限だ。ラボグロウンダイヤモンドの売上は最終的には天然ダイヤモンドを上回ることになる。問題は、それが起こるかどうかではなく、「いつ」起こるかだ。

上記は世界的なダイヤモンド業界のリサーチ、分析、コンサルティング企業であるエダン・ゴラン(Edahn Golan Diamond Research & Data Ltd.)が発表した「ラボグロウンダイヤモンドの販売が過半数になるのはいつか? – When Will Lab-Grown Diamond Sales Be the Majority?」によるものだ。

「この変化は、我々の多くが想像するよりも早く起こるだろう」と同レポートは続ける。

小売業者へのルースダイヤモンド(裸石)販売の意義

世界のダイヤモンド消費需要の約半分は米国によるものだ。異常な記録だった2022年には50%を超えていた。また、米国のジュエリー小売業者によるすべてのジュエリー売上のうち約22%はルースダイヤモンドからのものだ。

小売業者はルースダイヤモンドを消費者にそのまま販売しないが、ルースダイヤモンドを仕入れ、ジュエリーにセットして販売している。

ダイヤモンド業界の観点から見ると、(ダイヤモンド業者が)ルースダイヤモンドをジュエリーメーカーよりも小売業者に販売することは非常に重要な販売チャネルだ。より広範囲で、利益構造的にも優れているからだ。

米国でのこの22%のシェアは、2022年の年間売上高で約86億ドルに相当する。

ラボグロウンダイヤモンドの市場シェア、および分析

テノリス(エダン・ゴランのリサーチ会社)が収集したデータによると、過去3年間ラボグロウンダイヤモンドの売上シェアは増加し続けている。

バリューベースで見ると、ルースラボグロウンダイヤモンドのシェアは、2020年の平均8.3%から2022年には17.3%へと2倍に増加している。また急速な変化とその傾向の理解の参考として、2020年1月の7.2%から、今年2月には22.9%と3倍に増加している。

天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの販売額シェアの推移 – EDAHN GOLAN

現時点で、ルースラボグロウンダイヤモンドの売上高がルース天然ダイヤモンドの売上高に匹敵する、または上回る時期について予測しない。これは主に、ルースラボグロウンダイヤモンドの価格が急速に下がっており、これがいつ終わるか誰にも予測できないためだ。

最初のターニングポイント:販売数量

バリューベースでの売上シェアを予測するのは難しいが、数量ベースでの予測は比較的容易だ。

ルースラボグロウンダイヤモンドの販売数量は2020年に13.7%のシェアを占めた。これは当時は比較的高いと思われていたが、それ以降そのシェアは増加の一途をたどっている。2022年にはほぼ3倍の33.8%に到達した。

それは急激な速度だ。驚くべきなのは、2020年1月の11.6%から今年2月の46.6%という急激な上昇だ。僅か3年で数量ベースでのシェアがわずか10分の1から半分近くになっている。

天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの販売数シェアの推移 – EDAHN GOLAN
ターニングポイントはどこか

最初の疑問に立ち返ろう、ラボグロウンルースダイヤモンドの販売が全てのダイヤモンドの過半数を占めるようになるのはいつか?この問題にアプローチする1つの方法は線形予測を描くことだ。2020年1月から2023年2月までの天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの購入傾向に基づいて予測すると、これは今年の11月に発生する。

線形予測は非常に単純なもので、シーズンなどを考慮していない。より効果的な予測ツールは、需要の変動を考慮した3次多項式だ。

その結果、下のグラフが示すように今年の5月までに、米国の宝石小売業者が販売するルースダイヤモンドの50%がラボグロウンダイヤモンドになると予想される。ルースダイヤモンド商品を購入する消費者の半数以上がラボグロウンダイヤモンドを選ぶということだ。

それ以降、ラボグロウンダイヤモンドはシェアを伸ばし続けるだろう。ダイヤモンド分析に関してこの短期予想は熟考に値する。

線形予測と3次多項式による分析 – EDAHN GOLAN
ルースダイヤモンドだけではない

ラボグロウンダイヤモンドが特に優位である他の分野があり、場合によっては既に50%の市場シェアを獲得している。

そのような傾向の幾つかは注目を逃れているかもしれないが、その一つはダイヤモンド婚約指輪の中に隠れている。

ラボグロウンダイヤモンドをセットしたダイヤモンド婚約指輪のシェアは絶えず増加している。2023年2月のダイヤモンド婚約指輪の(米国での)総販売数のうち、17.3%にラボグロウンダイヤモンドがセットされていた。これは3年前の1.7%のシェアからの大幅な増加だ。

天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの婚約指輪のシェア推移 – EDAHN GOLAN

典型的なダイヤモンド婚約指輪は天然ダイヤモンドが1つセットされており、それは伝統的には1ctだ。通常のダイヤモンドリングでは少し小さく、約0.85ctになる。カップルが婚約指輪のダイヤモンドを選ぶとき、1ctより大きいものを選ぶ傾向がある。

前述の通り、ルースダイヤモンドは宝石小売店のジュエリー売上の22%を占めており、大きなサイズのダイヤモンドは彼らの商売の重要な部分だ。

ラボグロウンダイヤモンドがセットされた婚約指輪に対する消費者の需要を調べると、50%はもはや将来のシナリオではないことがわかる。

今年1月、あるカテゴリーでは天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの売上が50:50に均等に分割された。

2ct婚約指輪の天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドのシェア推移 – EDAHN GOLAN

ラボグロウンダイヤモンドを販売している場合、これはまったく驚くべきことではない。ラボグロウンダイヤモンドの販売平均サイズは増加の一途をたどっている。

また、2ctのラボグロウンダイヤモンドの平均小売価格が4,700ドルを下回ったため、これは1ctの天然ダイヤモンドよりも30%安くなっている。購入商品のサイズを2倍にして予算を30%節約したいと思うのは普通のことだ。

そして、ここに重要な問題がある。

ラボグロウンダイヤモンドの販売シェアが重要な理由

ダイヤモンド業界の人間にとって、1ctの天然ダイヤモンドと、同じ1ctのラボグロウンダイヤモンドを比較することは理にかなっている。2つの同等のアイテムの比較だからだ。

しかし一方で、特定の予算を持っている消費者は、購入価値を最大限にしようとする。それは、予算の中で何を購入できるかを比較するということだ。彼らがより少ない費用で大きいものを購入できるならそれは素晴らしいことであり、また同じ価格を費やして更に大きいものを購入できるならそれも大歓迎だろう。

消費者需要におけるこの変化の重要性は、多くの人々が予想していた(天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの)分岐がまだ起こっていないこと示している。それが実現する為には膨大な量のマーケティングと努力が必要だろう。

結論

ラボグロウンダイヤモンドの売上が全ダイヤモンドの売上の過半数になる日は遠くないかもしれない。一部のカテゴリーでは、特に販売数量で測定するとすでに現実になっている。

ラボグロウンダイヤモンドの販売は、ブライダルセクターを含めあらゆる場所で行われている。天然ダイヤモンド業界がその領域を保護したいのであれば、高級品としての地位を回復するための強力な魅力を考える必要がある。バーゲンセールやシーズン終了セール、2つ購入したら1つ無料などのセールではなく、しっかりとした価格設定と価値訴求が必要だ。

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