
消費者誤解防止へ透明性強化の新規則
インドのBureau of Indian Standards(BIS:インド規格局)は、業界におけるラボグロウンダイヤモンド用語の標準化ガイドラインを2026年1月1日付で発表した。この動きは、Gem & Jewellery Export Promotion Council(GJEPC:宝石・ジュエリー輸出促進協議会)の提案を受けて実施されたもので、用語の明確化を通じて消費者の誤解を防ぎ、透明性・信頼性を高めることを狙いとしている。
従来、ラボグロウンダイヤモンドに関しては多様な呼称が混在し、消費者が天然ダイヤモンドと混同するリスクが指摘されていた。BISの新規則では、「Diamond(単体)」という語は天然ダイヤモンドにのみ使用し、ラボグロウンについては正式な表記を義務付けるとしている。これにより、不適切または誤解を招く表現の使用が禁止される方向とされた。
新しい公式用語と禁止用語
BISが導入したガイドラインの主な要点は次の通り。
使用が認められる用語としては
・laboratory grown diamond(ラボラトリーグロウンダイヤモンド)
・laboratory created diamond(ラボラトリークリエイテッドダイヤモンド)
・synthetic diamond(シンセティックダイヤモンド)
の3つが公式に定められた。
これらはいずれも、ラボ内で生成された合成石であることを明示する表現で、消費者が起源を誤認しないように設計されている。
一方で、禁止される用語・省略形には次のような例が挙げられている。
・lab grown / lab created(略語)
・lab diamond
・LGD
・fake / artificial
・man made diamond
・cultured diamond
・そのほか天然ダイヤモンドと誤解され得る単独の「Diamond」表記
これらは「誤解を招くか、時代遅れの表現」とされ、製品表示・広告・鑑定書、保証書などでの使用が原則として認められなくなる。
この方針は、すでにISO 18323:2015など国際的な標準規格や、GJEPCが採用する米国連邦取引委員会(FTC)の用語体系とも整合性が取られている。FTCガイドラインでは、ラボグロウン製品に「cultured」「laboratory grown」「laboratory created」などの接頭語を付けることが求められ、単体で「Diamond」を用いることは天然ダイヤモンドとしての誤認リスクがあるとしている。
消費者信頼と業界透明性の強化
今回の標準化は、単なるラベル変更に留まらない。透明性を高めることで、購入時の消費者信頼が向上し、偽表示や誤認によるトラブルを抑制する効果が期待される。GJEPCのキリット・バンサリ会長は、「世界基準に整合した用語体系が信頼性を高め、インドのダイヤモンド産業の健全な発展に寄与する」と評価している。
実際、消費者が「ダイヤモンド」という単語だけを目にして天然石と誤解するケースは、これまで世界各地で問題視されてきた。EUや米国では、用語の不統一が原因の誤解訴訟や消費者保護上の課題が生じており、明確な表記体系の整備は国際流通の信頼性向上にもつながる。




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